“女の戦い”が注目を集めた第６２回宝塚記念（２７日＝阪神芝内２２００メートル）。２頭の間に割って入ったのは７番人気の伏兵ユニコーンライオン。前走の鳴尾記念で重賞初Ｖを決めたとはいえ、今回は自身２度目のＧⅠ挑戦だった。
前走・鳴尾記念での重賞初Ｖの余勢を駆って参戦したユニコーンライオン。前走同様に先手を奪って前半１０００メートル通過６０秒０と絶妙のペースで逃げて直線の入り口まで先頭を守る。直線に向いて２番手を追走したレイパパレとの叩き合いになって前へ出られると、残り１００メートルを過ぎたところで外から勝ち馬にも一気にかわされ…一旦は３番手まで下がったが、そこからレイパパレをゴール前で抜き返して２着をもぎ取った。
「悔しいですね。想定内のペースでイメージ通りに競馬ができて、３角から早めに動かして行った。３着馬に前へ出られたけど、最後は差し返してくれた。このメンバー相手に頑張ってくれたけど…」と坂井は理想的な展開に持ち込みながらも敗れたことに悔しさをにじませた。ただ、２頭のつばぜり合いを並ぶ間もなく一瞬でかわし去り、２馬身半差をつけたクロノジェネシスの次元の違う走りを前にすれば致し方ない結果だったか。
「グッドレースだったけどな。クロノジェネシスにあの位置（４番手）にいられては…。鞍上も２０００～２２００メートルがベストと言っていた。この後は夏休みで秋に備える」と矢作調教師も勝ち馬の強さに脱帽していた。秋はオールカマー（９月２６日＝中山芝外２２００メートル）か、京都大賞典（１０月１０日＝阪神芝外２４００メートル）で復帰予定。ここにきての充実ぶりは目を見張るものがあり、放牧を挟んでさらに成長した姿を見せてくれるだろう。古馬王道路線に楽しみな存在が現れた。
