相模原市は28日、東京パラリンピック聖火の採火式を8月15日に市役所前の広場で行うと発表した。市は当初、採火式を2016年7月に入所者ら45人が殺傷された県立の知的障害者施設「津久井やまゆり園」(同市緑区)で行うと発表したが、遺族や被害者家族らの反対意見を受けて、撤回した経緯がある。
28日の定例会見で、本村賢太郎市長は「共生社会の実現を願うという考え方は維持した」と述べた。その上で、市役所前の広場を選んだ理由について「市には外国籍や障害のある人など、さまざまな市民が暮らしている。多様な市民が行き交う場所で最適だと思った」と説明した。
採火場所の選定に当たり、やまゆり園の家族会や市内の障害福祉関係団体の意見を聞いたという。事件の遺族や被害者家族にも手紙で採火場所の決定を伝えた。
新型コロナウイルスの感染防止のため、採火式は市長や障害者スポーツ団体の代表者ら10人程度で行うという。