中日OBが指摘する〝熱血・星野竜〟と与田監督の決定的な違い

与田監督はドラファンを熱くすることができるのか

天にも見放された。中日は29日のDeNA戦(神宮)に2―3(6回途中雨天コールド)で敗れ、借金は今季最多タイの「7」。首位・阪神との差は12・5ゲームまで広がった。

雨で4度、計75分間の中断の末の敗戦に「(先発の大野)雄大も両チームとも天気を意識しながらのゲーム。そこで抑えるかどうか」と分析した与田監督。7カード連続で勝ち越しがなくなったことに「負け越しが多いから戦い方が変わるとかはない。日々準備をしっかりやっていく。これしかないですね」と語ったが、星野仙一元監督時代を知るOBからは与田監督の紋切り型のコメントに注文がついている。

「星野さんは負ける悔しさを選手に植えつけていた。今の監督はなんか選手をかばうコメントばかり。負けても〝選手ではなく使ってる自分が悪いんだよ〟という感じ。〝お前ら悔しくないのか、こんな試合に負けて〟というのが足らない」というのだ。

星野監督が指揮を執っていたころの中日は試合に負ければ地獄のミーティングが待っていた。もしもこの日の試合の指揮を星野監督が執っていたならば粘り切れなかった大野雄や、走者がいる場面で3度凡退した高橋周には激しい叱責が待っていたはずだ。

コンプライアンスに厳しい令和の現在では当時の星野監督のやり方は〝時代錯誤〟であるのは間違いない。それでも前出のOBは「今は失敗しても仕方がないという雰囲気が感じられてしまう。選手が〝なにくそ〟と反発してくるぐらいの厳しいコメントも今のドラゴンズには必要なんじゃないかと思います」と指摘する。

優勝どころかクライマックスシリーズ進出にも赤信号が灯り始めて、ドラファンの熱気も急速に冷めてきている。与田監督は再びファンを熱くさせることができるか。

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