ソフトバンク・千賀〝ラストサムライ〟へ大前進!侍・建山投手コーチは「ジョーカー」起用を示唆

金メダルへの秘密兵器として期待されるソフトバンク・千賀

左足首じん帯損傷からの復活を目指すソフトバンクの千賀滉大投手(28)が、29日の大分B―リングス戦(タマスタ筑後)に先発。〝ラストサムライ〟としての五輪代表招集に万全ぶりをアピールした。

5回1/3を4安打1失点(自責0)。99球を投げて球数の〝ノルマ〟をクリアした。一軍復帰に関して工藤監督は「彼が問題ないとなれば、こちらはGOです」と話している。投げ終えた千賀は「不安なく体の準備はできた。ひとまず二軍でのリハビリ工程という一軍復帰までのプランは順調に来ることができた。あとはしっかり準備して一軍に呼ばれるのを待つだけかなと思う」と話した。

ウルトラCでの五輪選出にも前進した。この日、視察のため球場に姿を現したのは侍ジャパンの建山投手コーチ。もちろんお目当ては千賀で、現在、巨人・中川の負傷辞退もあり、枠は一つ空いている。順調な回復状況を見守ると「有力な候補であることは間違いないです」と、近日中に結論を出すことを明言した。

千賀も必要とされれば行ける態勢は整えていくつもりだ。「(監督の)稲葉さん、建山さんにいつもありがたい言葉をかけてもらっていた。そこに応えられるようにリハビリでも下を向かないようにと思ってたのも事実なので」。こう話した上で「そうなったら自分の今持てるベストを出すのが絶対条件だと思っている。そのためにいい準備をしないといけないというのは間違いないところ」と力を込めた。

国際大会での実績も抜群の右腕が万全として加わるならば侍ジャパンとしても頼もしい限りだが、どこで起用するかということもポイントになってくる。建山コーチは「彼の一番の力を発揮してもらうのは先発だと思うが、オリンピックは人数が限られている。もし、彼が来てくれることがあればですが、先発だけではなくていろんなところをやってもらうことになると思います」と〝ジョーカー〟としての起用を示唆したが――。

本紙評論家の前田幸長氏は「彼が行けるのであれば僕だったら先発の柱として期待したいです」ときっぱり。「若い山本由伸もいますが、彼はナンバーワンの投手で、国際試合での経験も実績も抜群です。相手を圧倒する投球もできます。日程的にはぶっつけに近くなりますが、それに彼は応えてくれるタイプ、力に変えるタイプだとも思っています。菅野が本調子ではなさそうな中で、僕が投手コーチだったら『千賀、頼むわ』と託したいですね」と続けた。

2017年のWBCで世界を震撼させた千賀が金メダルへの秘密兵器となるか。

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