エンゼルス・大谷 最大の敵は「審判」なのか

ヤンキース戦でKOされた大谷(ロイター)

今季の大暴れで今から「MVPの最有力候補」との声も出ている、エンゼルス・大谷翔平投手(26)だが、気になるのがメジャーの審判たちの「厳しい目」だ。

1回もたずにKOされた6月30日(日本時間1日)のヤンキース戦でも厳しい判定に泣かされ、思わず米テレビ中継の解説者が「(中継画面に表示されるストライクゾーンの)枠に入っているように見えるんですが…」と疑問を投げかける場面もあったほど。

本紙評論家の得津高宏氏は「確かにストライク、ボールの判定が厳しくなっている気はしますね。絶対に認めたりはしないでしょうけど、大谷の活躍を面白く思っていない審判もいるのではないか」と、審判が意図的に大谷に不利な判定をしている可能性があることを指摘した。

「審判も人間ですから、感情があるのは当然。私の現役時代(ロッテ)にも、関西の審判にはずいぶん関西球団に有利な判定をされ、当時関東の球団に所属していた選手はみんな不満を漏らしていたものです。もちろん今の日本ではそんな話はめっきり聞かなくなりましたが、メジャーでは今でも『判定に不服そうな態度を見せた選手には、あからさまにその後の判定が厳しくなる』とも言われています。そういう意味では日本よりも、クセが強い審判がまだまだ多いのでしょうね」

実際、6月11日(日本時間12日)のダイヤモンドバックス戦で、二塁けん制の際に「ボーク」を取られた大谷が、両手を広げて抗議の意を示したことがあった。すると、その直後にセットポジションが静止しなかったとして2つ目の「ボーク」。これが反抗的な態度をとったことへの「見せしめのボークではないか」と、マドン監督が審判に抗議し、話題となったばかりだ。

ただ、そうした〝障壁〟も、大谷にとってはそれほど大きな問題ではないのかもしれない。

「打席での大谷くんは、いつもニコニコしていて、野球が楽しくて仕方がないというのが画面を通じて伝わってきます。今のスタイルをずっと続けていたら、きっと審判も味方についてくれる。それに今の活躍は、国籍などを超越したスーパースターの域にまで達しようとしています。こうした問題も、すぐに乗り越えてくれると思いますよ」(得津氏)

誰にもまねできない圧倒的なパフォーマンスの前では、一時的なやっかみこそあれ、全米がその「すごさ」を認めるようになるのも時間の問題ということか。

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