阪神の脅威は巨人だけじゃない! 5差接近ヤクルトの不気味な安定感

9回二死満塁で宮本丈に勝ち越し適時打を打たれ呆然のスアレス

ちょっとヤバいかも…。阪神は1日のヤクルト戦(甲子園)に1―6で敗れた。同点の9回に絶対的守護神ロバート・スアレス(30)が崩れて今季初黒星。今カード1勝1敗1分けに終わった。2位巨人に2差まで迫られただけでなく、肌で感じたのがブルペンの安定感が増した3位ヤクルトの脅威。次週6日から両球団とぶつかる6連戦は前半戦の勝負どころとなりそうだ。

阪神・ガンケル、ヤクルト・奥川の緊迫の投げ合いで7回まで得点はともに本塁打で奪った1点のみ。8回以降も両軍「8回の男→クローザー」による継投で一歩も譲らない展開も、守護神・スアレスが崩れた。二死満塁から代打・宮本に決勝の左前2点適時打を食らいKOされると、さらに3点を失い勝負を決められた。試合前まで防御率0点台だった男の想定外の乱調にも、試合後の矢野燿大監督(52)は「こういうこともある。(スアレスには)これまで何度も助けてもらっているしね」と、切り替えを強調した。

虎の尻尾に手を伸ばしてきているのは2差に迫ってきた2位・巨人だけではなさそうだ。不気味なのはこの日対戦した3位・ヤクルト。12勝10敗1分けで乗り切った6月は防御率が23試合で3・73と前月より良化。要因は中継ぎ陣の安定にある。

ヤクルトは8回・清水→9回・マクガフと勝利の方程式が確立されている。さらには試合中盤を投げるリリーフ陣が軒並み調子を上げてきているのが、ブルペンが不安な阪神と対照的な点。6月9試合で防御率0・00だった今野を始め、星、大西、梅野らが安定感を発揮している。ヤクルト関係者も「ウチはもともと打撃のチームと言われたけど、投手力も力をつけてきたことで、安定して貯金できるようになった」と上位浮上に自信を見せている。

今季のヤクルト戦は8勝2敗(2分け)と勝ち越しているが、気付けば5差までジワリと接近中。独走状態が一転、「三つ巴」なんてことにならないためにも、神宮に乗り込んでの3連戦(6~8日)で叩き落しておく必要がありそうだ。

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