長崎県民宿泊割 「ふるさとで“心呼吸”の旅」再開 施設や客ら歓迎

県民宿泊割引キャンペーンを利用し、チェックインする夫婦=長崎市、矢太樓南館

 長崎県民を対象にした県内宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」が1日、再開された。新型コロナウイルス感染拡大による一時停止で我慢を強いられていた宿泊施設や客は「旅行のきっかけになる」と歓迎。今回から、旅先で使える地域限定クーポンが付き、土産店などからも活性化に期待が寄せられた。
 県内宿泊割引は県と県観光連盟が3月、第1弾を発売し完売。4月15日に、宿泊代やツアー費用を最大5千円割り引く第2弾を開始したが、感染拡大で同23日から一時停止していた。
 再開した1日午後、長崎市風頭町のホテル「矢太樓」南館にはキャンペーンを利用し、諫早市の夫婦がチェックイン。医療従事者の夫(59)は「ずっと外出を我慢してきたので、県内の有名なホテルに泊まりたかった。夜景を見るのが楽しみ」とほほ笑んだ。4~6月の稼働率はコロナ禍前の1割に落ち込み、幸田政秀総支配人は「まず県民が旅行するきっかけになれば」と期待を込めた。
 平戸では“心呼吸”と併用できる「平戸市特割宿泊キャンペーン」がスタート。平戸観光協会によると、ホームページ閲覧数が初日だけで6千を超え、関心は高い。
 雲仙市の温泉旅館「雲仙福田屋」は、夏休み中の週末や連休の予約が増えたが、平日はまだ空きが多いという。福田努社長は「多くの県民に利用していただき感謝している。ただ、コロナが全国的に収束に向かわないと集客は厳しい」。
 7月1日利用分から1泊2千円分の地域限定クーポンが付き、旅先の土産店や飲食店、タクシーなどで使える。JR長崎駅近くで土産店2店舗を展開する「すみや」の販売促進担当、貞住史華さんは「ありがたい。県民にも特産品を楽しむ感覚で来店してほしい」。長崎市の出島ワーフ内の飲食店「ベイサイドレストラン&バー R-10」の担当者は「感染が再び拡大したら最初に営業を止められるのは飲食店。これからも対策を徹底する」と話した。


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