前田日明氏が東京五輪ブッタ斬り「コロナに加えて新国立、エアコンないねん。死ぬで?」

現在の政治、東京五輪を一刀両断した前田日明氏

格闘王・前田日明氏(62)が、揺れに揺れる東京五輪問題を一刀両断した。6月に出版した自著「日本人はもっと幸せになっていいはずだ」(サイゾー刊、1400円+税)で現在の日本の抱える問題を指摘した前田氏は、今回のインタビューで〝国民の怒り〟を代弁。我慢に我慢を重ねた末の東京五輪がこのままでは日本を危機に追い込むと主張し、再延期を提言した。

――出版の経緯

前田氏(以下前田) 年取って子供ができたってことが大きいですよね。下の子(5歳)が大学卒業したら、俺もう80でしょ。30歳になったら88だよ。まずアウトだよね。結婚だの孫ができたの見届けてやれないじゃん。そんなこんな考えて、ふっと今の世の中見てたら「えーっ!」て話いっぱいあるじゃん。

――本書の中では日本のコロナ対策にも言及していた

前田 欧州はだいたい収入の80%くらい補償してるんだよ。補償してロックダウンしますよ、と。日本は(個人に)1回10万円やってさ、企業に100万、200万円配って、それで終わりじゃん。2年だよ、2年。潰れるの当たり前じゃない。日本の産業根幹から潰れるよ。

――一番の問題点は

前田 日本の国民がちゃんと主権を持ってないんだよ。自民党なんか、議員の約60%が世襲政治家でしょ。あんなの選挙差別。法律でダメと言わないと。だからコロナでも飲食店休む代わりに6万円応援しますってだけやってたらいいと思ってんだよ。違うでしょ。仕入れ業者、輸送業者どうするの。世の中の仕組み分からへんねん、アイツらアホやから。そんなのを政治家にすんなよ。国家反逆罪とスパイ防止法を作って、国民の敵の官僚・国会議員をしょっぴいて、世襲議員を廃止にして全部やり直せって。

――世論が開催に反対多数だった東京五輪も開催が間近に

前田 こんな方法でやっても、何のプラスもないじゃん。やるんだったら世界中でワクチンが打ち終わるタイミングまで延期して、正々堂々と海外の観光客も入れて経済的に潤うようなイベントにしないと。

――海外客の受け入れは断念した。無観客開催も検討されている

前田 やるメリットがないじゃん。何しにやんねん。せめてもう1年延ばしたらワクチン打ち終わるやん。延期にカネがかかるって言っても、取り返せるやん、うまくやったら。みんな五輪で経済が潤うと思って我慢してたのに。経済も潤いません、また新しい感染爆発があるかも分からない、変異株同士が混じって五輪株ができるかも分からない…。そうなったら本当に日本は瀕死(ひんし)の重体になっちゃうよ。

――今から延期はかなり難しそうな状況だが…

前田 あともう一つ、夏の新国立競技場、エアコンないねん。死ぬで? 見に行ってる人。屋根があっても角度によっては全部は当たらないからさ。炎天下の直射日光にマスクしろって、死ねって言ってるのと同じやん。

――海外選手で辞退や不参加も出てきている

前田 ダメだよ、話にならないよ。選手もかわいそうだよ。これで金メダルラッシュになったところで、誰が喜ぶの? それよりも日本という国が潰れちゃうじゃん。なんで当たり前の判断ができない政治家ばっかりなの? 国民の命や財産、国益を守る常識が(頭に)入っている人がなんでいないのよ。

――このまま五輪開催は国益を損ねる、と

前田 大赤字やんけ。もうけること考えて五輪引っ張ってきたんでしょ? なんで損せなあかんねん。それも散々経済を止めて。あの韓国でさえちゃんと補償してるんだよ? あんな国でさえ。なんで日本はやれへんねん。GDP(国内総生産)世界3位の国だよ? 韓国は何位やねん(編集注・世界10位)。

――最後に提言したいことは

前田 南海トラフ地震の脅威についてはもっと認識されてほしい。起きたら土木学会の想定で36万人死ぬとも言われている。このまま何も対策しなくていいのか。俺が言いたいのは当たり前の政治をしてくれということ。日本人がこんなに頑張ってるんだから、国会議員はそれに見合うことをやってくれって。そういう思いもあって今回は書かせてもらったんだよね。

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