【DDT】義足レスラー・谷津嘉章が約28年ぶりのベルト戴冠「この歳になってまさか…」

8人タッグのベルトを奪取した谷津嘉章(右から2人目)

DDT4日の後楽園大会で、義足レスラー・谷津嘉章(64)が約28年ぶりにベルト奪取に成功した。

糖尿病の悪化で2019年6月に右膝下7センチを残して切断した谷津は、「サイバーファイトフェスティバル」(6月6日さいたまスーパーアリーナ)で奇跡の復活。復帰第2戦となったこの日は、彰人(34)、大和ヒロシ(37)、中村圭吾(21)と「チームオリンピアン」を結成し、KO―D8人タッグ王者の高木三四郎(51)、納谷幸男(26)、力(39)、なべやかん(50)組に挑戦した。

開始早々に高木と対峙した谷津は、打撃合戦の末に義足でのキックを連射する。ワンダースープレックスで投げ捨てチームを鼓舞した。強烈な逆水平チョップを打ち込んでくる力には、かつて総合格闘技「PRIDE」でのゲーリー・グッドリッジ戦で見せた「谷津ガード」で応戦。…したのだが、空気を読むのが苦手な力は初発でこれを打ち破り、谷津は再びチョップ連打の餌食となり、セーバーチョップも浴びてしまう。

それでも味方の救出でなんとか3カウントを免れると、王者組のトリプルセーバーチョップを納谷に誤爆させて反撃開始。最後はなんとヤツゴェ(カミゴェとほぼ同型)から監獄固めで納谷からギブアップを奪ってみせた。

谷津のベルト奪取は、1993年に鶴見五郎と獲得した国際プロレスプロモーションのIWA世界タッグ王座以来、約28年ぶり。「この歳になってまさかベルトを負けたなんて、これは自分の力よりチームの力。動けないけどフォローしてもらって」と仲間に感謝の言葉を送りつつ「今日はベルトを何十年ぶりかにベルトを巻いたけど、遅咲きかもしれないですけどこれからも頑張っていきましょう」と今後も精進を誓っていた。

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