来年いよいよ100年 密の遺徳しのぶ  前島密翁献碑祭、住民ら100人出席

 郵政制度をはじめ日本の近代化を推し進めた郷土の偉人、前島密の遺徳をしのぶ行事「前島密翁献碑祭」が1日、生誕地である上越市下池部の前島記念館で行われた。

 献碑祭は下池部町内会が実行委員会となって毎年7月1日に実施。地元住民や学校関係者、来賓ら約100人が出席し、前島密の死後に建立された「男爵前島密君生誕之処」の石碑の前で神事と記念式典を行った。

生誕地を示す石碑前で神事と記念式典を実施。住民と来賓約100人が遺徳をしのんだ

 今年で99回目となり、来年の100周年に向けての取り組みも行われている。本年度の地域活動支援事業の採択を受け、石碑と献碑祭を紹介するパンフレットを制作。5000部を発行し、津有区の全戸に配布する他、記念館などに設置し、市外からの来訪者にもPRする。また、のぼり旗160本を同区内に立て、地域を挙げて顕彰する雰囲気づくりに努めている。

来年の100周年に向けて制作したパンフレット。石碑裏側の碑文や大正11年の除幕式の様子、渋沢栄一が語る前島像などが紹介されている
津有区全域にのぼり旗を立て、地域を挙げた顕彰につなげる

 新井美智雄町内会長は記念式典の式辞で「来年はいよいよ100周年の節目。あらためて功績を後世に伝えたい。皆さんとまい進していく」と述べた。

生誕地を示す石碑の前で神事と記念式典を実施。新井町内会長(左)が来年の100周年に向けてさらなる機運の高まりを呼び掛けた

 記念式典の後半は記念館の利根川文男館長が講演。前島との親交が深く、石碑の文字を揮毫(きごう)した渋沢栄一との関わりなどを紹介した。

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