小川未明 来年の生誕140年へ  未明学習の成果出版物に 上教大附属中3年生107人

 上越教育大附属中(桐生徹校長)の3年生107人は本年度の国語で小川未明のプロジェクト学習を行っている。来年の生誕140周年に向けて学習し、成果を出版物にまとめる計画。第1弾として1、2の両日に上越市本城町の小川未明文学館を訪れ、未明の生涯などを学んだ。

 今月は未明作品を読む強調月間としてタブレット端末を使って作品と親しみ、月末の公開授業では好きな作品を紹介し合う。その後は未明を研究する上越教育大の小埜裕二教授の講話やゆかりの地巡りなどを予定している。出版物はデジタルを想定し、学習した動画などを組み込んだり、英語や音楽と連携したりすることも視野に入れている。

 生徒は密を避けるため、クラスごとに同館を訪問。未明の生涯や代表作『赤いろうそくと人魚』の動画を鑑賞し、上村聡子学芸員から作品の背景や人となりの説明を受けた。岩船尚貴教諭は「未明は子どもを感染症で亡くし、自分もスペイン風邪で生死をさまよった。コロナ禍の今だからこそ、時代を記した未明作品を読んで考えてほしい」と狙いを話した。

未明学習に取り組む3年生が未明文学館を訪れた

 安原明里さんは「作品の語り口や切り口がきれいだと思った。郷土の偉人の魅力をきちんと伝えたい」と話した。

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