佐世保に“お試し”移住「サセボトコネクト」 無料滞在拠点が完成

古民家風の内装の物件。ワーケーションの拠点も兼ねる=佐世保市島地町

 佐世保市への移住を検討する人たちが一定期間、無料で滞在できる拠点施設がアーケードそばの市中心部に完成した。短中期で利用し、佐世保暮らしを実体験できる場所。ワーケーションの受け入れ拠点としても活用し、“佐世保好き”を増やしていく。
 滞在拠点は「SASEBO to connect(サセボトコネクト)」。一般社団法人「させぼラボ」がリノベーションした同市島地町の二つの物件を市に賃貸し、移住前に同市での暮らしを体験する「お試し住宅」として活用する。市中心部に位置し、仕事や家探しなどが効率的にできる。
 市によると、2016年度から20年12月までに市街地のお試し住宅を利用した74人のうち28人が移住。利用者の約4割に達しており、市は「お試し住宅の役割は大きい」と評価している。
 物件の一つはシティーホテル風の内装で、木造の1LDK(53.2平方メートル)。30~60日の滞在期間で検討しており、地元の人と交流しながら移住後の生活をイメージしてもらう。もう一つは古民家風で木造の2LDK(55.42平方メートル)。観光地で仕事をしながら余暇を楽しむ「ワーケーション」の拠点も兼ねる。市が「西九州させぼ広域都市圏」への移住策として進める「周遊型ワーケーション」の受け入れも担い、将来的な移住につながる関係人口の拡大にもつなげる。滞在期間は2~30日で計画している。
 新型コロナウイルスの感染状況を見ながら、8月以降の運用開始を予定。市は「自分の目線で佐世保暮らしを体験してほしい。すぐに移住につながらなくても将来的に移住の候補地になれば」と話している。

 


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