阪神新加入・二保にいきなり“大役” 矢野監督が期待する「先発7番手」以上の役割

縦じまの練習着に身を包んだ阪神新加入の二保(代表撮影)

16年ぶりリーグ制覇への〝貴重なピース〟になれるか――。ソフトバンクから阪神にトレードで加入した二保旭投手(31)が5日に兵庫・西宮の球団事務所で入団会見に臨み「優勝争いをするチームに少しでも貢献できるようにしたい。一緒に戦っていく中で『二保は使えるな』と思ってもらえるような投球ができれば」と語った。

矢野監督は7日のヤクルト戦(神宮)で二保を先発投手として起用することをすでに明言。右腕も「こんなに早くチャンスをいただけるとは思わなかった。期待されているのだなと思いましたし、恩返ししたい」。今季ここまでウエスタン・リーグ11試合に登板し、4勝1敗、防御率2・57。安定した数字を残しているだけにベンチからの期待も大きい。

二保が新天地で先発投手として台頭できれば、後半戦以降の矢野阪神の戦力運用は一気に楽になる。現在チームの先発ローテーションを回す青柳、ガンケル、アルカンタラ、西勇、秋山、伊藤将の6人はそれぞれが安定した成績を維持。だが、最大の問題は、これら6人のうち1人でも負傷などで戦線を離脱すれば、有力な〝代役先発〟がチーム内にはいない。

開幕投手を務めた藤浪は、現在中継ぎ投手としてブルペン待機中。左のエースとして期待も高かった高橋は右脇腹の筋挫傷が長引き、先月からようやく断続的なブルペン入りを果たしたばかり。5月19日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初先発初勝利を挙げた高卒2年目右腕・西純も現在はファームで投球フォームの再構築に着手している段階だ。

それだけに「正直、ぶっつけ本番でいきなりヤクルト戦に先発とは驚いたが、監督も彼の能力を高く評価しているのだろう。二保にはぜひ、このチャンスをつかみ取ってほしい」と球団関係者も期待を寄せる。

もちろん二保本人も「先発7番手」の座に甘んじるつもりはないだろう。最強軍団・ホークスの遺伝子を宿した右腕が猛虎にどのような化学反応を与えてくれるか、注目したい。

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