“長崎スパイスカレー”開発 稲佐山観光ホテル 隠し味はちゃんぽんスープ

レストラン珍陀亭チトセピア店で注文できる「長崎スープ咖喱」(同店提供)

 長崎市曙町の稲佐山観光ホテルが、スパイスをピリリと利かせた本格カレーのレトルト商品「長崎スープ咖喱(カレー)」を開発した。隠し味はちゃんぽんスープ。新型コロナウイルス禍の影響で宿泊が苦戦する中、新しいご当地グルメづくりに挑戦した。小林央幸専務(45)は「食べた人に長崎に行ってみたいと思ってもらえたらうれしい」と相乗効果を期待している。
 大のカレー好きという小林専務。約10年前から趣味でスパイスを調合したカレーを作り、楽しんでいた。「いつかビジネスに」と構想を抱いていたという。
 そんな中、コロナ禍が観光業界を直撃。同ホテルも昨春以降、修学旅行や観光客が激減した。「人が来ない中でもできることを」と一念発起。鎖国時代、出島で香辛料交易が行われていた歴史にちなみ、スパイスをふんだんに使ったカレーを新たなご当地グルメにするプロジェクトを立ち上げた。コロナ禍でも土産や通信販売で全国に味を届けられるようレトルトにした。
 昨秋からスパイスカレーの専門家やレトルト商品を手掛ける宮島醤油(しょうゆ)(佐賀県唐津市)と試行錯誤を重ねて仕上げた。20種類のスパイスとハーブをブレンド。ちゃんぽんスープを隠し味にしてコクとうま味を出した。具材には県養鶏農業協同組合のブランド鶏「長崎ばってん鶏」を使用した。
 3月に国内外の飲食関連業者が集うフードエキスポ幕張に出店。アンケートに応じた9割が「おいしい」と回答したという。資金は県農商工連携ファンド事業の補助金やクラウドファンディングを活用した。
 価格は1食分1080円。同ホテルなどで販売中で、長崎空港などの土産店にも置く予定だ。ホテルが運営するレストラン珍陀亭チトセピア店(長崎市千歳町)では、5日から長崎ばってん鶏のスパイシーチキンとライスが付いて1430円で提供を始めた。問い合わせは同ホテル(電095.861.4151)。

「長崎スープ咖喱」のパッケージを手にする小林専務=長崎市、稲佐山観光ホテル(撮影のためマスクを外しています)

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