小池百合子東京都知事が５日に初めて国政復帰説について口を開いた。自民党の二階俊博幹事長と会談し、コロナ対策での協力を求めたという小池氏には、次期衆院選で国政に復帰するのではないかとの臆測が絶えない。
自民党本部に姿を現した小池氏はうつむきがちだったものの、足取りは先週の記者会見の時よりは軽かった。前夜には特別顧問を務める都民ファーストの会が東京都議会議員選挙で大敗の予想を覆して３１議席を獲得していた。“小池マジック”が功を奏した格好だ。一方で、３３議席で第１党となったものの、自公で過半数に及ばず、勝ちきれなかった自民党にとって、小池氏への不信感は膨らむばかりだ。
自民党内では「小池氏が国政復帰するのではないか」との見方がくすぶっている。会談後の取材ではっきりそう質問された小池氏は「これについては私はそういう意思を一度も言ったことはありません。なんで皆さんがそうやってお書きになるのか、よく理解できません」と意外そうな表情を見せた。
もっとも「国政復帰はしません」とはっきり言わないところがくせ者だ。都民ファ関係者は「我々は小池氏とこれからも都政で一緒にやっていきたい。小池氏は国政復帰を考えていないと思いますが、もしそうなったら…困惑します」。本心では“行かないでくれ～！”と不安がないわけではなさそう。
二階氏とは密約説も流れたが、この日の会談で小池氏は「ワクチンの接種、また供給のご協力のお願いをした」とコロナ対策を話し合ったという。もちろん都議選も話題になったが、「コロナの情勢やこれからの経済の問題でもしっかりとオール東京で進めていこうという話を共有させていただいた」とけむに巻いた。
これからも小池氏から目が離せなさそうだ。
