災害の記憶を後世に 「諫早の水害展」写真で伝える 諫早市美術・歴史館

写真パネルなどで被害の実態を伝えている「諫早の水害展」=諫早市美術・歴史館

 死者・行方不明者630人に上った1957年7月25日の諫早大水害から64年になるのに合わせ、被害の実態を写真パネルなどで振り返る「諫早の水害展」が長崎県の諫早市美術・歴史館(東小路町)で開かれている。
 諫早も被害に見舞われた82年の長崎大水害と合わせ、災害の記憶の継承を目的に同館が企画した。二つの大水害の被害と復興の歩みを紹介した写真パネル45点や、救護活動などで使用され、診療科目や時間などを手書きした幟(のぼり)4点などを展示している。
 このうち、市中心部を流れる本明川などが氾濫した諫早大水害関連の写真パネルの一部では、被災直後と現在の様子を同じアングルの撮影で対比。本明川沿いの諫早神社一帯の写真からは現在、川が掘り下げられ、河川改修工事で治水機能が改善している様子が分かる。当時書かれた体験記も紹介され、小学生だった女児は手記で「川の近くの家が四けんぐらい流れていた。あたり一面海のようになっていた」と伝えている。
 8月1日まで(火曜日休館)。観覧無料。

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