海の生物 多様性知って 門川町と宮大「魚図鑑」改訂

 門川町と宮崎大は「新・門川の魚図鑑 ひむかの海の魚たち」を製作した。2年前に発行した図鑑から、掲載魚を300種増やした改訂版。漁獲場所の水深ごとに載せており、地元の海の生物多様性を理解しやすい作りとなっている。
 町は2017年に同大学と包括連携協定を締結。19年に前作「門川の魚図鑑」を発行した。新しい図鑑は、対象を門川湾周辺の沿岸から沖合まで拡大。約5年半の間に取れた815種類を掲載した。
 地元の漁師や釣り人が取った魚を使い、同大学農学部延岡フィールドの村瀬敦宣助教と学生が撮影。通常の図鑑は魚の分類順だが、沿岸、陸棚(水深20~110メートル)、深海域に分けて並べた。ゴテンアナゴやナヌカザメなどは、同じ魚が3海域で捕獲されたため、それぞれの場所で取れた魚の写真を掲載している。
 村瀬助教は「同じ魚も生息域によって色や特徴が違う。門川の海の多様性をより深く知り、地域に誇りを持ってほしい」と話す。
 図鑑は町まちづくり推進課や観光協会、「かどがわ温泉心の杜」で3千円で販売。ふるさと納税の返礼品にも活用する。
 宮崎大では大学付属図書館で20日まで、展示会を開いている。町と大学が製作した「門川の魚かるた」なども並ぶ。閲覧無料。

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