【名古屋場所】照ノ富士が逸ノ城〝秒殺〟6連勝

逸ノ城(後方)を一蹴した照ノ富士

大相撲名古屋場所6日目(9日、愛知県体育館)、初の綱取りに挑む大関照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)は幕内逸ノ城(28=湊)を寄り切って6連勝。立ち合いで右を差して左手でさがりを取ると一気に前に出て〝秒殺〟で仕留めた。

鳥取城北高校で切磋琢磨した相手を一蹴し「思い切ってやろうと思っていた。土俵に上がればみんな一緒。やるべきことをやるだけ」。高田川審判長(54=元関脇安芸乃島)は「今場所一番だったかもしれないね。(綱取りのプレッシャーも)一番、一番に集中していてそんなのないでしょう」と絶賛した。綱取り場所でも過度な気負いやプレッシャーは一切感じさせず、平常心を保っている。

2015年夏場所で、当時23歳の若さで初優勝し、大関に昇進しながら、両ひざの大けがなどでどん底まで落ちた。それを乗り越えて復活優勝を果たした昨年7月場所の際、初優勝時との違いについて「今は一つのことに集中して、やってきたことを信じてやっている。それが違う」と強調。場所が始まれば「一日一番、集中してやる」ということにもつながっている。そうしたメンタルも強さの一因だ。

今場所前には、爆弾を抱える両ひざの影響で他の関取衆との稽古が不足。それを不安視する周囲をよそに、着実に白星を積み重ねている。

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