1試合2発も… 広島・鈴木誠が「全然違う」と首をひねる“真意”

サヨナラ負けを喫し引き上げる鈴木誠

状態は上がっているように見えるが…。広島は9日のヤクルト戦(神宮)に3―4でサヨナラ負け。守護神・栗林が休養し、3―2の9回に代わって登板したフランスアが逆転を許した。ヤクルト戦には2分けを挟み8連敗だ。

そんな中でも状態の良さを見せたのが鈴木誠也外野手(26)だ。4回先頭で先制の14号ソロ、さらに1―2の8回二死一塁で一時は逆転となる15号2ランを放った。この日を含めて7月は8試合を終えたばかりだが5本塁打を叩き出している。

今月下旬に始まる東京五輪の野球日本代表に選ばれ、主軸としての期待も大きいコイの主砲は打率も3割に到達。そんな鈴木誠だが、今年の自身の打撃には「しっくりきていない。全然違いますね」と思うようにいっていないと明かす。

過去を振り返っても「ここまでひどいのはないですね」と話すほどだ。これに首脳陣の一人はこう解説する。「誠也は打撃に関しては突き詰めるものが人より高いものがある。だから自分の納得するスイングができて、なおかつ結果が伴わないと本人は嫌なんでしょう」。

その一例として2016年の契約更改で鈴木誠が掲げた目標をチーム関係者が振り返る。それが打率10割だ。同関係者は「誠也はそれぐらいの気持ちでやっている。そうじゃないとあそこまで突き詰められない」と話す。

すでに若くしてチーム、そして侍ジャパンの4番を務めるなど実績十分の鈴木誠だが、今年のシーズン序盤にこう話したことがある。「今まで打ったから今年も打てるとか、そんなことないと思います」。コイの主砲の目指す〝頂〟ははるか遠くにある。

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