バス乗り継ぎ「ハブ&スポーク型」拠点化へ 3地域を想定 公共交通活性化協

 行政や交通事業者などでつくる長崎市公共交通活性化協議会は9日開き、市は市地域公共交通計画の素案を提示。路線バスの運行便数の適正化を図るため、市内3地域に乗り継ぎ拠点(ハブ)を設け、そこから生活拠点(スポーク)に分けて運行する「ハブ&スポーク型」ネットワークを形成することを盛り込んだ。乗り継ぎ拠点は「東長崎」「西浦上」「土井首・深堀」の各地域を想定している。
 同計画は本年度から2025年度までの5年間。パブリックコメントを経て、8月にも策定する。
 市内の路線バスをめぐっては、長崎自動車(長崎バス)と県交通局(県営バス)が路線維持のため、共同運行やダイヤ調整などを図る「共同経営」導入に向けた連携協定を6月に締結。両者の取り組みは、同計画に基づいて具体化される。
 現在、市内の路線バスは市中心部に乗り継ぎポイントが集中。効率的な運行を図りつつ、各地域の利用者に応じた運行系統の見直し、乗り継ぎ環境の改善が求められていた。「ハブ&スポーク」は4月から、長崎バスが三和地域で試験的に導入している。
 今後、3地域のうち、まず東長崎の拠点整備から検討する。東長崎など東部地区は、長崎バスと県営バスの両方が乗り入れており、住民の移動手段の持続的な確保を目的に同地区で「実施計画」を策定する予定。
 また市地域公共交通計画の素案では、数値目標も設定。始発から終点までの乗客の平均値を示した「平均乗車密度」は、19年に10.1人だったのに対し、25年の目標を11.9人とした。これについて協議会では、交通事業者の委員から「ハードルが高い」との意見が上がった。市側は「これ以下なら、輸送効率が悪く採算が取りづらくなる。効率化して目標達成したい」と説明し、理解を求めた。

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