【名古屋場所】“プリンス” 琴ノ若が1敗死守「しっかり自分の持っているものを出すだけ」 

上手ひねりで英乃海を破った琴ノ若

大相撲名古屋場所7日目(10日、愛知県体育館)、幕内琴ノ若(23=佐渡ヶ嶽)が幕内英乃海(32=木瀬)を破り、1敗を死守した。立ち合いからすぐさま左の上手を取って優位な形をつくり、最後は上手ひねりで仕留めた。取組後は「しっかり踏み込むことだけ考えた。圧力をかけるよう体が動いてよかった」と手応えを語った。

前日まで7人の1敗力士が相次いで敗れていく中、唯一白星で踏みとどまった。今場所は6場所連続休場明けで進退をかける横綱白鵬(36=宮城野)、綱取りに挑戦する大関照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が頭抜けた存在となっている中、追撃一番手に躍り出た格好だ。

ただ〝2強〟の大崩れは望めない。V争いに絡むには取りこぼしができない状況だが「あまり星数は意識せず、一日一番、しっかり自分の持っているものを出すだけ」と本人には余計な気負いはない。

祖父は「猛牛」と呼ばれた元横綱琴桜(故人)、父は元関脇琴ノ若で師匠の佐渡ヶ嶽親方(53)と“高貴”な血を受け継ぐ伏兵が、初夏の名古屋を盛り上げるためにも最後まで粘り続ける。

© 株式会社東京スポーツ新聞社