東京オリンピックに出場するドイツ体操チームの事前合宿が、ホストタウンの上越市で始まった。練習初日の10日、選手団は練習会場の上越体操場ジムリーナ(大潟区九戸浜)で、地元住民ら約130人から手厚い歓迎を受けた。
選手団は選手、コーチら総勢21人。9日午後に来日し、貸し切りバスで同夜、上越市に入った。入国に当たり空港検疫所で新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受け、全員が陰性だった。
翌10日の午前、ジムリーナ入り口付近には「ジムリーナと新しい夢を育む会」や大潟区町内会長協議会などが参集。横断幕を掲げるなどして選手団の到着を待った。
一行が姿を現すと、地元太鼓団体「海音鼓(うみねこ)」の演奏とともに歓迎。チーム代表者のウォルフガング・ヴィラムさんは感謝した上で「こんなに素晴らしい上越市で、オリンピックの準備ができる」と喜び、本番に向けて意気込んだ。
出迎えを終えた地元住民からは「もっと大勢でお出迎えしたかったが、コロナの影響があるのでしょうがない。(歓迎の)気持ちはお伝えできたのでは」「これからジムリーナで練習し、オリンピックで良い成績を残してもらいたい」といった声が聞かれた。
午前の練習終了後、選手団を代表して2選手が報道機関の取材に応じた。
段違い平行棒が得意種目のエリーザベット・ザイツ選手は「温かく歓迎していただき、とてもうれしい」と喜び、「(ドイツとの)時差や気候の違いに慣れることが大事で、上越市で練習できるのはありがたい。本番でベストの姿で演技できるよう頑張りたい」と力を込めた。
鉄棒が得意種目のアンドレアス・トーバ選手も「素晴らしい歓迎を受け、感動した」と喜びの声。同感染症の影響で首都圏などでの無観客開催が決まったことについて「できるだけ大勢の方々にご覧になっていただきたい気持ちはあるが、こんなに大変な状況の中でもオリンピックが開催されることに関し、感謝しかない」と話した。
選手団は今後、出場選手は18日まで練習し、同日に東京の選手村へ移動。控え選手は24日まで練習し、25日に帰国する。この間、チームの行動を市内の宿泊先ホテルと練習会場に限定し、選手や同行する市職員、通訳は毎日、PCR検査を実施するなど同感染症対策を徹底する。
また、12日に村山秀幸市長と面会、13日に市内小学生の練習視聴やインタビューをいずれもオンラインで実施予定。当初予定していた一般向け公開練習は、感染症対策に万全を期すため中止した。
▼歓迎、練習の様子は動画で