付け入るスキを与えない投球だった。ソフトバンクのコリン・レイ投手(31)が12日の楽天戦(ペイペイ)で圧巻の投球で3勝目(1敗)を挙げた。
身長196センチの長身で高い制球力を誇る。最速151キロをマークした直球に、カットボールなどの変化球もさえ渡り、楽天打線を手玉に取った。4回までで見逃し三振3つを含む7奪三振。5回以降は打たせて取る投球で凡打を積み重ねた。
終盤までHランプさえも灯させなかった。球場がザワつき始めた8回二死、巨人から加入したばかりの炭谷に右前打を浴びてノーヒットノーランの快挙は逃したものの、135球を投げる大熱投。日米を通じて自身初の完封勝利を飾った。許したヒットは2本のみだった。
工藤監督によると9回はレイからの志願だったという。頼もしい投球でチームを3連勝に導いた右腕は「自分が先発した試合は最後まで投げ切りたい思いをみんな持っている。人生初の完封もかかっていましたし、投げ切れてよかったです」と笑顔を浮かべた。
メジャーでの通算勝利数は8勝。米国にいる時から「日本向き」と言われており、かねてレイ本人も意識してきた。クレバーな性格でマジメ。「クイックを勉強しようと取り組んだり、うまくなろうという意識が本当に強い」(チームスタッフ)。
試合後の工藤監督は「ドキドキした。なかなかノーヒットノーランって出るものではないですけど、それに匹敵するナイスピッチングをしてくれたと思います」と大記録を予感させた快投をたたえた。