来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が16日に広島を訪問する件について、反対を求めるオンライン署名を呼び掛けた広島市在住の女性が14日午前に集約した署名を県に提出することを明かした。
オンライン署名は「バッハ会長〈広島訪問〉の中止を求める有志」と題され、これまで約1万7700筆を集めている。呼びかけ人の女性は「広島の平和イメージを五輪に利用するな!」とサイト上で訴え続け、ついに県に署名を提出するに至った。
もともと五輪自体に反対している女性は「特権階級が美辞麗句を並べて行うイベントの本質がコロナによって見えてきた。様々な人を犠牲にしてまで強行する五輪は反人類でもある」と主張。その上で「オリンピック休戦決議」が始まる16日に広島を訪問するというバッハ会長のパフォーマンスについて、こう怒りの声を並べる。
「そもそもオリンピック休戦っていう呼びかけ自体が欺瞞(ぎまん)。それだけの口実で広島が利用されている。本当にひどい話です。それに当日は史上初の核実験、トリニティー実験(1945年7月16日)が行われた日。そういうことも全然、気にしないで広島に来るのか。もともと反核の問題など関心がないことも露呈されています」
当日、式典が行われる時間帯には広島県内の有志によるデモも計画されている。だが、女性は「来てしまってからでは遅い。来る前に絶対、阻止したい」と強い口調で語った。