“勝つ飯”で活力を 「レストラン本陣」と「佐世保ベース」が新メニュー開発

「佐世保ベース」の2人と共同開発した、エビフライ付きの「本陣の牛カツ」=佐世保市、レストラン本陣

 長崎県佐世保市干尽町の「レストラン本陣」は、町おこしに取り組むユーチューブチャンネル「佐世保ベース」を運営する北村悠樹さん(37)、五島大督さん(38)の2人と共同で新メニューを開発した。新型コロナウイルスに「勝つ飯」として、「本陣の牛カツ」と名付けた。
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 同店は、先代の大塚征弘さんが1974年に創業したハンバーグが看板商品の人気老舗レストラン。昨年4月、新型コロナの影響で客足が遠のくさなか、大塚さんが病気で亡くなり、同店は「二重の危機」にさらされた。
 後を継いだ近藤浩社長を中心に、全従業員で店の建て直しに奔走。同店従業員の本郷智博さん(45)は今年4月初旬、店を盛り上げる案を求めて、以前同店を紹介する動画制作を依頼した佐世保ベースを訪問した。そのとき持参したビーフカツに北村さんが食い付いた。いくつか持っていった中でビーフカツは人気商品ではなかったが「おいしい。これをもっと魅力的な商品にしたらどうか」とメニューの共同開発を提案した。
 祖父母の時代から3代にわたり同店を利用している北村さんは「本陣のごはんは、試験前などの勝負時に食べる“勝つ飯”だった」として、「勝つ飯」をテーマにメニュー開発。
 洋風メニューのビーフカツだが、2人は全9種のソースの中から和風ソースの使用を提案。盛り付けの仕方も肉の断面がより見えるよう助言。店側も皿などの提供方法を和風に変えた。
 2人は「コロナ禍で大変な中頑張っている方の背中を押せるような商品になったと思う。明日の活力になれば」と胸を張る。
 本郷さんは「店の人間だけではできなかったメニュー。自信作なので、ぜひ一度試していただきたい。暗中模索の状態だが、今後も味を守りつつ新しいことに挑戦していきたい」と意気込みを話した。
 共同開発の様子は、ユーチューブチャンネル「佐世保ベース」で視聴できる。商品は税込みで、1900~4千円。エビフライ付きもある。弁当での注文も可能。問い合わせは同店(電0956.33.1630)。

メニューの共同開発をした(右から)五島さん、本郷さん、北村さん=佐世保市、レストラン本陣

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