エンゼルス・大谷翔平が二刀流出場の球宴で歴史的白星 日本人勝利投手は2人目

歴史的白星を飾った大谷(ロイター)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は13日(日本時間14日)にコロラド州デンバーのクアーズ・フィールドでのオールスター戦でア・リーグの「1番・DH」で先発出場し、2打数無安打。投手として先発マウンドに上がり、1回を無安打無失点で日本投手2人目の白星を挙げた。ア・リーグが5―2で勝利し、MVPは3回に本塁打を放ったゲレロ(ブルージェイズ)が史上最年少で選ばれた。

メジャーの歴史に刻まれた初打席を終えたその裏に大歓声を浴びてマウンドへ上がった。日本投手の球宴先発は1995年の野茂英雄(ドジャース)以来、2人目だ。

先頭打者は22歳のタティス(パドレス)。28本塁打、20盗塁はともにリーグトップの次世代のスーパースターだ。記念すべき初球は外角低めの96マイル(約154キロ)の直球でファウルされた。カウント1―2から5球目、外角低めのカットボールで左飛に仕留めた。

2番は左の強打者マンシー(ドジャース)。カウント1―1からの3球目、外角直球で二ゴロ。

3番は本塁打王3度の右の大砲アレナド(カージナルス)。4球目に100・2マイル(約161・2キロ)を記録。5球目も99・7マイル(約160・4キロ)と大台を連発。カウント2―2からの6球目のスプリットで遊ゴロに仕留め、三者凡退。14球で終えた。米大リーグ機構(MLB)公式サイトは「大谷、完璧な1イニング」「ショウヘイ、1回に100マイルに到達」と速報した。

ア・リーグは降板後の2回に1点を先制。その後もゲレロの球宴初アーチなどでリードを守り切り、大谷が勝ち投手になった。日本投手の勝利投手は19年の田中将大(ヤンキース=現楽天)以来、2人目だが先発では初。二刀流出場ではもちろん初だ。

試合途中の現地放送局のインタビューに「オールスター戦の先発は本当に光栄ですし、なんとか自分の持っているものを出したいと思っていた。何とか3人に抑えられて良かったと思います」と安どの表情で答えた。勝利投手の可能性を聞かれて「僕ですか? 知りませんでした」と驚いていた。

歴史的な打席は初回先頭。相手先発は右腕シャーザー(ナショナルズ)。メジャー通算182勝、サイ・ヤング賞を両リーグで3度獲得している大投手だ。初球95・5マイル(約154キロ)の内角直球をファウル。2球目の真ん中高めのカットボールを強振したものの、力んで二ゴロだった。

3回一死無走者は2番手の右腕バーンズ(ブルワーズ)の初球94・7マイル(約152キロ)のカットボールを引っ張って一ゴロだった。早い勝負に観客席からタメ息が上がった。

初のリアル二刀流出場で白星を手にした大谷。本塁打不発は残念だが、16日(同17日)から始まる後半戦にはずみをつけた。日本選手初の本塁打王、投手としては2桁勝利に期待だ。

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