【速報】広島騒然! バッハ会長の来訪で〝反五輪デモ〟発動「ヒロシマを利用するな!」

バッハ会長への抗議デモを多数のメディアが取材

平和の象徴が地元市民の怒号に包まれた。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が16日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)らとともに広島を訪問。平和記念公園(広島市中区)の慰霊碑で献花が予定される中、広島を利用した〝平和アピール〟に対して地元有志がデモを敢行し、怒りの声を上げた。

午後1時過ぎ、慰霊碑付近の道路でデモ隊は「バッハ、帰れ!」「ヒロシマを利用するな!」「東京五輪をやめろ!」と主張。背景には原爆ドームがそびえ立つ。公園内は立ち入り禁止となったため、できる限り至近から市民は訴えかけた。

デモを呼び掛けたのは広島市内で40年にわたり平和運動を行ってきた久野成章さん(61)。「ここは戦前に人が住んでいた。映画館もあった。たくさんの骨が埋もれている。亡くなった方々の無数の嘆きに応えるために」と、立ち上がった。メインのスローガンは「バッハのヒロシマ利用を許すな」「東京五輪をただちに中止せよ!」の2つだ。久野さんは「ヒロシマ・ナガサキを利用してノーベル平和賞を狙っているのは明らか。そのために被爆者にも会う。被爆の実像や意味など何も分かっていない。名誉だけが欲しいのです」と批判しつつ、開幕目前に迫った東京五輪に対しても「平和の祭典ではなく、利権の祭典。4年に1度、カネで動く商業主義の大イベントにすぎない。コロナ禍で本質が知られるようになった。彼らは命よりカネ」と話した。

東京都では新型コロナウイルス新規感染者が1000人超え。第5波の真っただ中で関係者らを引き連れて広島へ移動したことも疑問視されている。だが、バッハ会長は〝強行訪問〟を決断。この日は原爆資料館を見学し、湯崎英彦広島県知事(55)、松井一実広島市長(68)、被爆者らと面会する予定だ。

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