【オールスター】工藤監督“掟破り”の申告敬遠の意図「負けたくない」「益田君には申し訳なかった」

近本を申告敬遠した全パの工藤監督(右)

ピリッとスパイスを加えた。全パの指揮を執ったソフトバンク・工藤公康監督(58)が、16日の「マイナビオールスターゲーム2021」第1戦(メットライフ)の9回に異例の「申告敬遠」で球場をどよめかせた。

4―4で迎えた9回、全セは無死一、二塁からヤクルト・中村が犠打。一死二、三塁と勝ち越しの好機を広げた。ここで工藤監督がベンチを飛び出し、この日2安打の阪神・近本に対して申告敬遠。両軍の勝負にこだわる戦いに、ファンは大いに沸いた。

試合後、この場面を振り返った工藤監督は「ああやった方が盛り上がるのかなというのがあってですね。原監督のバントに対して、僕が(申告敬遠して)と。コーチの方にも聞いて。辻さん、井口監督にも聞いたら、ここは満塁で行った方が、ということだった。やっぱり勝負となれば負けたくない」と意図を説明。結果的に二死となった後、ロッテ・益田が押し出しの四球を与えて決勝点を献上したため「満塁の方が守りやすいというところでさせていただきましたが、すいません。益田君には申し訳なかったです」と、ロッテの守護神を気遣った。

緊張と緩和――。エンターテインメントの中に、勝負へのこだわりを見せた両軍に野球ファンの支持も高かった。

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