フェラーリ育成のシュワルツマンが2勝目。佐藤万璃音はトラブルに泣く【FIA-F2第4戦イギリス レース1】

 7月17日(土)、2021年FIA-F2第4戦イギリスのスプリントレース1(決勝レース1)が開催され、ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)が優勝し今季2勝目。佐藤万璃音(トライデント)は4周ラップダウンの18位フィニッシュも完走扱いとはならなかった。

 予選トップ10にリバースグリッドが適用されるレース1では、クリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)がポールスタートに。2番手は3連勝がかかるユーリ・ビップス(ハイテックGP)、3番手はロイ・ニッサニー(ダムス)、4番手はシュワルツマン、佐藤は21番グリッドスタートとなった。

 周回数は21周。快晴のシルバーストンは気温20.4度、路面温度23.4で路面はドライ。タイヤ交換の義務はない。日本時間16時50分にフォーメーションラップがスタートし、スプリントレース1が幕を開けた。

 シュワルツマンがロケットスタートを決め一気にトップへ浮上。後方ではニッサニーがルンガーに追突し左フロントサスペンションを痛めマシンをストップ。また9番手スタートの周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)も他者との接触でマシンをコース上に停止、2台のマシンを回収すべく早々にセーフティカー(SC)が導入される。

 SCは3周目にピットイン。レースはシュワルツマン、ビップス、ルンガー、フェリペ・ドルゴヴィッチ(ユニ・ヴィルトゥオーシ)のオーダーで4周目から再開するも各所でバトルが勃発、アレシオ・デレッダ(HWAレースラボ)が接触によるスピンでマシンをコース上に止めてしまい一周待たずに再度SCが入った。

 またこのタイミングで佐藤はマシンにトラブルが発生したようでピットイン。修繕を施し、その後9周目にレースへ復帰している。

 トップ4は変わらずレースは7周目から再開。サーキットを盛り上げたのは6番手を争う11番手スタートのリアム・ローソン(ハイテックGP)と10番手スタートのオスカー・ピアストリ(プレマ・レーシング)だ。ピアストリのペースがよくスレスレの間隔を縫うように走りローソンを攻略、6番手まで浮上した。

 シュワルツマンは最速タイムを記録してマージンを築こうと走るがビップスもペースが良い。ふたりは1秒以内の間隔を維持し、コース上で他者よりも0.2秒以上速い1分43秒3を記録しハイペースで周回を重ねていく。

 11周目、ギリェルメ・サマイア(チャロウズ・レーシング・システム)がスピンしグラベルにマシンをスタック。このため3度目のSCが入り、数台がこのタイミングでタイヤを交換、後半戦でプッシュする戦略を採った。

 トップ4はここまでと変わない布陣でレースは15周目にリスタート。トップのシュワルツマンは早々に2番手ビップスと1秒以上の差をつける。また3番手ルンガーのペースが良く2番手ビップスを0.7秒差で追いかけるが、隙を見せないビップスは順位をキープ。残り3周へと進んでいく。

 ファイナルラップまで余力を残していたのは2番手のビップス。猛チャージを見せシュワルツマンの0.971秒後方まで迫るが追い上げはここまで。シュワルツマンが選手権ポイントリーダーに浮上する今季2勝目を飾った。ビップスは3連勝ならずも2位と健闘、ルンガーは今季2度目の表彰台となる3位に。佐藤は4周ラップダウンの18位フィニッシュも完走扱いとはならなかった。

 ポイントランキングは優勝したシュワルツマンが87点で首位浮上、2番手に81点のピアストリ、ノーポイントに終わった周が78点で3番手、4番手は75点のビップスに。

 スプリントレース2(決勝レース2)は日本時間7月17日(土)の22時45分からスタートする。

■FIA-F2第4戦イギリス スプリントレース1(決勝レース1) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 1 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 21Laps

2 8 J.ビップス ハイテックGP 0.971

3 9 C.ルンガー ARTグランプリ 2.534

4 4 F.ドルゴヴィッチ ユニ・ヴィルトゥオーシ 5.041

5 10 T.プルシェール ARTグランプリ 5.594

6 2 O.ピアストリ プレマ・レーシング 8.403

7 7 L.ローソン ハイテックGP 11.640

8 5 D.ティクトゥム カーリン 12.365

9 17 M.アームストロング ダムス 12.795

10 11 R.フェルシュフォー MPモータースポーツ 13.640

11 12 L.ツェンデリ MPモータースポーツ 14.222

12 6 J.ダルバラ カーリン 16.694

13 14 D.ベックマン チャロウズ・レーシング・システム 17.215

14 21 R.ボシュング カンポス・レーシング 19.347

15 20 M.ナニーニ カンポス・レーシング 20.113

16 24 B.ビシュカール トライデント 21.048

17 22 J.エイトケン HWAレースラボ 22.670

— 25 佐藤万璃音 トライデント DNF

— 15 G.サマイア チャロウズ・レーシング・システム DNF

— 23 A.デレッダ HWAレースラボ DNF

— 16 R.ニッサニー ダムス DNF

— 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ DNF

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