【東京五輪】高まる開催反対の声 聖火リレーの都内「公道走行中止」決めててよかった

東京都内での聖火リレーも大詰めだが…(ロイター)

東京五輪の聖火リレーが東京都内で9日から15日間行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染再拡大の影響で、島しょ部を除く全日程で公道の走行が中止となった。ただ、ここにきて関係者たちからは“無念”の声ではなく、安堵の声が上がっている。

聖火リレーは3月25日、福島県のJヴィレッジからスタート。7月23日の開会式(東京・国立競技場)に向けて、全国各地で多くのランナーが聖火をつないでいる。聖火リレーに携わる関係者によると、温かい拍手でランナーたちを見送る光景が見られた一方で、地方では少数の人たちが沿道で「五輪反対」のプラカードなどを掲げていたという。

リレーも大詰めとなった今月4日には、茨城県内で沿道の女性が「五輪反対」などと言いながらランナーに水鉄砲で液体をかける事案が発生。大事には至らなかったが、聖火リレー関係者は「地方では少数だったけど、東京だとどうなるか分からない」と不安を口にしていた。

さらに8日にはIOCのトーマス・バッハ会長が来日。歓迎されていない広島訪問を“強行”するなど、空気の読めない言動を連発しており、五輪開催反対派たちの活動を加熱させている。バッハ会長の宿泊先近隣でも開催反対のデモが行われるなど、五輪開幕が近づくにつれて緊張は高まるばかりの状況だ。

かねて聖火リレー関係者の間では「(都内だと)テロのようなことが起きるかもしれない」と不安の声が出ていた。それだけにバッハ会長の来日前に、コロナ再拡大を考慮して公道走行中止を決めていたことは“英断”だったと言えそうだ。

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