〈2〉ライオン像のある館(旧直江津銀行) 日本遺産の構成文化財 紙の造形で100年後を表現

 ライオン像のある館(上越市中央3)は名前の通り、建物前のライオン像が目印となっている。明治40年の建築で日本の伝統的な工法に西洋の要素を取り入れた貴重な建築物。

洋風の外観が直江津の繁栄を感じさせる建物。三・八の市会場はすぐ近く

 直江津銀行として同市中央2に建てられ、大正9年に現在地に移築され、回漕店の社屋として使用された。平成21年、市に寄贈され、耐震工事などの改修を経て同31年4月から一般公開されている。同年に市の文化財に指定、前年に同市が登録された日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財にもなっている。

 現在は貸し館として市民団体「まちおこし直江津」が市から業務委託を受けて管理し、作品展や音楽会などの会場として活用されている。建物内部は大きなカウンターや金庫、天井の扇風機など当時の調度品が残る。

 この会場では紙の造形作家、西村優子さんの「100年後・旧直江津銀行の姿」が展示される。銀行、海運業に関わった建物の100年後を想像し、紙をさまざまに折った作品を展示する。8月22、23の両日は小学生を対象に「紙垂(しで)」で造形を楽しむワークショップを行う。

© 株式会社上越タイムス社