BTSが韓国人の年金を増やす 所属事務所が基金に巨額差益もたらす

韓国の国民年金がBTSの所属事務所への投資によって約240億円ものリターンを得ていた事が分かった。

国民年金は、2016年結成、2024年満期清算予定の「スティックスペシャルシチュエーション1号」(スティック1号)ファンドに約2500億ウォン(約240億円)を投資していた。 これは同ファンドの総募集金額の約30%を占める規模だった。

韓国の経済紙報道や金融情報を総合すると、スティック1号は、BTSがグローバル音楽市場で人気が出始めた初期の2018年10月に1040億ウォン(約100億円)を投資し、BTSの所属事務所ハイブの旧株346万2880株を取得。 スティックは、最近ハイブの株式全量を売却し、9倍以上の収益を上げた。

スティックはハイブ上場初日の昨年10月から三回にわたりバイブ株を売り抜け、総額9415億6418万ウォン(約920億円)の収益を得たとされる。 国民年金は、このうち約30%の株式を持っていた。つまり312億ウォン(29億円)を投資して2824億ウォン(約270億円)のリターンを得たことになる。韓国紙によると国民年金以外の年金基金もファンドに参加していたという。

ハイブ株の高騰はBTSに負うところか多く、韓国人の老後資金形成にもBTSが少なからず貢献した形だ。

ハイブの株価は上場直後に投資家の利益確定売りなどから大きく値を下げたが、最近の韓国の株式ブームもあり、再び高騰している。ハイブの時価総額は日本円で一兆円を超えており、韓国の他の芸能大手(SM・JYP・YG)を大きく引き離す。その資本力を背景に、米大手芸能事務所であるイサカ・ホールディングスの買収も発表するなど、やり手のグローバル企業へと変身しつつある。

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