【侍ジャパン】坂本勇人 理想のリーダー像はいつも熱いあの男!

投打のリーダーとなる坂本(左)と田中将

巨人・坂本勇人内野手(32)が「熱男魂」で日本に金メダルをもたらす。稲葉篤紀監督(48)率いる侍ジャパンは22日は完全オフ。ナインは静養に努めた。24日楽天、25日巨人と2試合の強化試合を経て、28日の開幕・ドミニカ共和国戦(福島)を目指すが、侍ジャパンの事実上の主将役である坂本の、理想とする代表リーダー像はあの男だった。

今回、侍ジャパン最年長は坂本に加え楽天・田中将、中日・大野雄、ソフトバンク・柳田の「88年組」となった。

2013年WBCで代表キャプテンを務めた稲葉監督は、自身の経験を踏まえ「今回も置きません」とキャプテンを指名せず。侍スタッフは「五輪が1年延期になり、これまでリーダー役だったソフトバンク・松田が代表から漏れた。試合中の投手への声掛けなど、事実上のリーダーは坂本にやってもらうことになる」と話す。

世界一となった19年「プレミア12」でのリーダー役・松田宣浩内野手(38)は今季、打率2割3分3厘と調子が上がらず無念の落選。坂本が理想のリーダ―として尊敬しているのがその松田だった。

「プレミア12」後、坂本は「(予選ラウンドが行われた)台湾でもマッチさん(松田)が決起集会で盛り上げてくれた。ロッカーも横だったけどずっとアレです(笑い)。グラウンドに出たらずっとあのテンション」と振り返ると「(巨人にも)1年間ああいう人がいてくれれば」とチームの勝利に不可欠な存在と見ていた。

今回の最終合宿で坂本は「率先して間に入ったりして、こっちからどんどん声をかけていければいいかな」と松田不在の分もリーダーの自覚を見せている。「自分がいい結果、悪い結果どういう結果が出ようとチームが勝てばいい。その状況状況で自分がやれることをしっかりやって、チームの力になれたらいい」。19年の「プレミア12」決勝・韓国戦でスタメン落ちした松田がベンチで声を張り上げ、チームを鼓舞したように常に最善を尽くすという。

実は坂本が阿部二軍監督から受け継いだ巨人の「キャプテン道」も「熱男魂」に通じている。坂本は阿部監督からエラーや敗戦時でも、絶対に下を向かず笑顔でいるよう厳命された。キャプテンが雰囲気を悪くするわけにはいかないためだ。

時には失策直後の笑顔がファンから批判を受けることもあったが、坂本はブレずに貫き通している。自分の感情を押し殺し、あくまでチームのサポートに徹する。坂本が「熱男」になれるかどうかに、日本の金メダルがかかっている。

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