【五輪取材班便り】モヤモヤした気持ちは正直消えていない。東京五輪の全競技に先駆けてソフトボールがスタート。「復興五輪」の象徴として福島県で21日と22日に試合が行われ、日本代表は2連勝を飾った。
ついに熱戦の火ぶたが切られた一方で、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長をはじめとする〝五輪貴族〟の横暴ぶりもあり、世間の風当たりは強まるばかり。ある地元住民は「東京五輪は中止でよかった。もう東京でやらないでほしい」と不満を口にした。
ただ、会場の県営あづま球場に足を踏み入れると、県民の方々の熱意を感じた。県内の高校生が制作した「オリンピックシンボル花壇」。福島市内の小学生が育てた応援メッセージ付きのアサガオ。試合後、ボランティアの方々が日本代表のバスに「日本がんばれ」などと書かれた横断幕を掲げる姿も見受けられ、さまざまな形で選手にエールを送っていた。
五輪の良さを実感したが、今も日本にはコロナで苦しむ人が数多くいるのが現状。だからこそ〝五輪貴族〟は日本国民の声にも耳を傾けてほしい。今夏で近代五輪の歴史に終止符を打つなら話は別だが…。