メッツが先発補強 レイズから41歳のベテラン左腕・ヒルを獲得

メッツのザック・スコットGMはトレード・デッドラインにおける最優先の補強ポイントが先発投手であることを明らかにしていたが、その言葉通りに先発投手の補強を実現させた。日本時間7月24日、メッツはレイズに救援右腕のトミー・ハンターとマイナー捕手のマット・ダイアーを放出してリッチ・ヒルを獲得する1対2のトレードが成立したことを発表。ジェイコブ・デグロムら多くの先発投手を故障で欠くなか、41歳のベテラン左腕がメッツの先発ローテーションに加わることになった。

メッツは現在、デグロム、ノア・シンダーガード、カルロス・カラスコ、デービッド・ピーターソン、ジョーイ・ルケーシー、ジョーダン・ヤマモト、ロバート・ストックと7人の先発投手が故障者リスト入り。先発投手はマーカス・ストローマン、タイワン・ウォーカー、タイラー・メギルの3人しかおらず、しかもメギルは6月にメジャーデビューしたばかりの新人のため、補強が急務となっていた。

ヒルは今季レイズで19試合に先発して95回1/3を投げ、6勝4敗、防御率3.87、91奪三振をマーク。ルイス・ロハス監督は「多くの人々が彼の名前を知っているだろう。我々のチームにとてもフィットするし、素晴らしい補強になった」とヒルの加入を歓迎。ドジャース時代には4年連続(2016~19年)でポストシーズンの登板経験もあり、現在ナ・リーグ東部地区の首位に立っているメッツにとって非常に頼もしい戦力だ。

一方、ツインズから大砲ネルソン・クルーズを獲得したばかりのレイズは、先発ローテーションの一角をトレードで放出するという動きに出た。これは先発投手の頭数に余裕があったからこそ実現できたトレードであり、レイズはすでにルイス・パティーニョを昇格させてヒルの穴を埋め、さらにクリス・アーチャーの戦列復帰も近付いている。また、アメリカ代表として東京五輪に参加中のシェーン・バズもメジャー昇格が目前となっており、故障中のタイラー・グラスノウも9月中の戦列復帰が期待されている。よって、今季終了後にFAとなるヒルをトレードの駒にする余裕があったというわけだ。

レイズが獲得したハンターは35歳のベテラン救援右腕で、腰痛により故障者リスト入りしているため今季は4試合の登板にとどまっているが、通算476試合に登板して102ホールドを記録。また、ダイアーは昨年のドラフト4巡目(全体120位)でメッツが指名した23歳の捕手で、今季はマイナーA級で36試合に出場して打率.194、7本塁打、20打点、6盗塁、OPS.781という成績を残している。

© MLB Advanced Media, LP.