義母のコーディネート SNSで発信 佐世保・フリーライターの山本千尋さん「いつか写真展開けたら」

インスタグラムのアカウント「ファッションに疎すぎる嫁がファッショニスタのお姑さんを撮る」の投稿写真

 おしゃれ上手な義母の全身コーディネートを、写真共有アプリ「インスタグラム」で発信している人がいる。佐世保市を拠点に活動するフリーライターの山本千尋さん(35)。アカウント名は「ファッションに疎すぎる嫁がファッショニスタのお姑さんを撮る」(@mamahafashionista)。ユニークな活動の撮影現場にお邪魔した。
 「かわいい」。千尋さんがそう言いながらカメラを向けると、義母の山本夏江さん(66)は、会話しながらポーズを決めていた。この日のコーディネートは、夏江さんが好きな青色の長袖シャツとパンツ。どちらも夏江さんのお手製だ。
 夏江さんは同市出身。物心ついた時から服に熱中し、10代向け雑誌でアイビールックに傾倒。街を歩く、米海軍佐世保基地の米国人少年のスタイルなどを参考にしていた。24歳の時、市内の洋裁学校で本格的に服作りを習い、洋服店に数年間勤めた。
 その後は同基地で経理の仕事に約20年間携わり、服作りとは無縁の生活をしていた。ところが、数年前に友人からオリジナルブランド「ANNIK」(アニック)を手伝ってほしいと誘われ、服作りへの思いが再燃。現在はワンピースやシャツなどの型紙を製作したり、20代で着ていた洋服をリメークして身にまとったりしている。
 千尋さんも同市出身で、2016年に夏江さんの次男と結婚。ファッションには疎かったが、おしゃれな夏江さんに出会い、撮影して発信したいとひそかに思っていた。
 そんな考えが実現したのは19年12月。夏江さんの誕生日がきっかけで、服装を写真に収め、インスタグラムに投稿したいと伝えると夏江さんは二つ返事で承諾。更新頻度は特に決めず、夏江さんが出掛ける時などに撮影している。夏江さんは「『昔着ていた服でしょ』と友達からコメントをもらった」とうれしそう。千尋さんは「この取り組みを始めてから2人の会話が増えた。いつか写真展を開けたらいいな」とほほ笑んだ。

インスタグラムで夏江さん(右)のコーディネートを発信する千尋さん=佐世保市内

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