第103回全国高校野球選手権長崎大会 第12日 4強激突 海星×大崎、長崎商×小浜

 第103回全国高校野球選手権長崎大会第12日は25日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで準決勝が行われる。ここまで勝ち残ったのは第1~3シードの大崎、長崎商、小浜と第5シードの海星。昨夏の独自県大会を除き、大崎は54年ぶり、長崎商と海星は2年ぶり、小浜は33年ぶりの4強で、すべてをシード校で占めるのは2016年以来となる。
 コロナ禍で昨年は春夏ともに中止された甲子園まで、あと2勝。最終決戦に進むのはどのチームか。各試合を展望する。

3試合連続2桁安打の打力を誇る海星 (左) テンポのいい投手陣を中心に総合力が高い大崎

◎海星、3戦続けて2桁安打 大崎、安定感抜群の投手陣

 大崎の投手力、海星の打力は県内屈指。大崎の清水監督が2018年に就任後は初対戦で、走攻守すべてハイレベルな攻防が期待できる。3、4点を巡る勝負になりそう。
 大崎は右の坂本、左の勝本ら投手陣の安定感が抜群。大量失点の要素が少ない。3回戦は創成館から九回に7点を奪って逆転。攻撃陣が四球など相手の隙を逃さず集中打を披露した。鹿町工との準々決勝は初回3得点で逃げ切る形になったが、1時間28分の短い試合で持ち味の守備力を発揮。飛球での凡退が多かった打線の微修正ができれば勝機が広がってくる。
 海星は九州文化学園、大村工、壱岐と初戦から難敵に対して2桁安打を続けた。小気味いい大崎の守備テンポを崩すには早めの出塁がカギ。既に11盗塁を決めた足で重圧を掛けたい。昨秋以降、敗戦を含め得点できない印象がなく、打ち合いには強い。中3日後の準々決勝は松島、宮原の継投でコールド勝ち。登板がなかった陣内、向井らの投手起用も注目される。

2試合連続サヨナラ勝ちで勢いをつけた長崎商(左)  準々決勝は下位打線も大きな仕事をした小浜

◎長崎商、連続サヨナラで勢い 小浜、中野柱に打線も復調

 春、NHK杯の決勝と同じ顔合わせ。ここまではいずれも長崎商に軍配が上がったが、両チームとも投手を軸とした守備力が高く、ロースコアの展開が予想される。
 小浜は絶対的エースの中野が3試合とも完投。防御率1.00、四球は初戦の3個だけと制球力は群を抜く。スタミナも十分だが、中1日で回復具合が焦点か。チーム打率は2割4分1厘で高くはないものの、準々決勝の長崎西戦は10安打と上向き。3番中野、8番入江がともに3安打を記録した。3試合で1安打の1番山本れに当たりが戻れば得点力も増す。
 長崎商は3回戦から2試合連続サヨナラ勝ちで勢いに乗る。投手陣は城戸、田村の両右腕が交互に先発し、3試合とも継投でしのいだ。チームの生命線はここまで無失策の守備。連係プレーや走塁なども鍛えられている。打線は大坪、横田、大町、宮城ら好打者がそろうが、ここ2試合で残塁25とやや決定力を欠く。好機での勝負強い一本がポイントとなりそうだ。


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