金メダル・高藤直寿に直電! 菅政権浮揚の頼み綱は〝ガースーホン〟

〝ガースーホン〟が浮揚の頼み綱!?

金メダルラッシュで日本中が沸き立つ中、〝ガースーホン〟が政権浮揚の頼み綱になってきた!? 菅義偉首相(72)は、東京五輪で日本人の金メダル1号となった柔道男子60キロ級の高藤直寿(28)に25日、公邸から生電話で祝福した。会見やぶら下がり取材では、ぶっきらぼうな答弁で評判の悪い菅首相だが、この日は〝ひょう変〟し、じょう舌に語りかけた。いったい何が起きたのか?

菅首相は電話で「総理大臣の菅です~。金メダル第1号本当におめでとうございます」と切り出した。昨年、ネット番組に出演した時に見せた「こんにちは。ガースーです」の再現こそなかったが、「私も実は準決勝と決勝戦の試合を見ましたけど、本当に粘り強い戦いで、勝利への強い執念を感じました。一夜明けて、どんなお気持ちですか~?」と続けた。

さらに3位に終わった2016年のリオデジャネイロ五輪以来、5年間の苦闘を振り返り、「ご家族のみなさまもとっても喜んでいるとの報道だったが、いかがでしたでしょうか?」と、菅首相が高藤を質問攻めにする一幕も。最後には「男泣き、涙を見た時に、今までの努力を多くのみなさんが感動した。ありがとうございました」と締めくくった。

時の首相による金メダリストへの〝直電〟は恒例となっている。04年のアテネ五輪では、小泉純一郎首相が、金メダル第1号となった柔道の谷亮子や野村忠宏に国際電話をかけて話題となった。18年の平昌五輪では安倍晋三首相が、金メダルに輝いたフィギュアスケートの羽生結弦、スピードスケートの小平奈緒に電話をかけ、祝福したこともある。

菅首相も歴代首相にならった形で、SNSで生中継するほどの力の入れようだった。菅首相は手元に台本があったようで、時折目線を下にやりながらだったため「棒読み」との批判もあったが、普段の会見とは比べものにならない明るさと滑舌の良さ、気の利いたアドリブを見せ、まるで別人のようだった。

永田町関係者は「実は菅首相は電話魔なんです。もともと表ではなく、裏での下交渉にたけた寝業師で、官房長官時代はしょっちゅう電話で、関係各所と連絡を取り合っていた。電話だとじょう舌になるタイプですよ」と明かした。

25日にも日本選手の活躍は続き、競泳女子400メートル個人メドレーの大橋悠依(25=イトマン東進)、スケートボードの堀米雄斗(22=XFLAG)、柔道男子66キロ級の阿部一二三(23=パーク24)、女子52キロ級の阿部詩(21=日体大)と、一気に四つの金メダルを獲得した。さすがに当日に〝直電〟するわけにはいかないが、菅首相はツイッターで祝意を示した。

大橋に対し「初出場の大舞台で金メダルおめでとう」と投稿。新競技で初代王者となった堀米に「見事な技の数々で世界を魅了してくれた」と賛辞を送った。また阿部きょうだいには「史上初の兄妹同日金メダル! 互いに激励し合う姿に心を打たれた」「素晴らしい歴史を切り開いてくれた」とそれぞれつづった。

緊急事態宣言下での五輪強行や新型コロナの感染拡大で、菅政権の直近の支持率は発足後、最低となる30%前後まで落ち込んでいる。金メダル獲得者に対して26日以降、〝直電〟するかどうかは分からないが、テンションの高い〝ガースーホン〟で明るい姿と話題を提供し続けることができれば、支持率も持ち直すかもしれない!?

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