「プロのアスリートです」「スタッフです」来日選手らが登録? マッチングアプリで日本での出会いを求める理由

東京五輪の選手村

いよいよ東京五輪が開幕し、日本中の注目を集めているなか、来日している外国人選手、関係者らがマッチングアプリを駆使して日本での出会いを求めていることが分かった。五輪関係者や選手であることをプロフィルに明記しているアカウントが複数発見されたのだ。コロナ禍の日本では、マッチングアプリを使って出会いを探すのが効率が良いとされているが、なぜそこまでして日本での出会いを求めるのか? 専門家は“ジャパンポルノ”の影響もあると推測する――。

外国人の選手や五輪関係者のアカウントが発見されたのは、日本の会社が運営するマッチングアプリだ。身長や趣味のほか、英語で「プロのアスリートです」「スタッフです」などと身分を明かし、「オリンピックで9月まで日本に滞在しています」などとプロフィルに書き込んで、出会いを探す者が多く見受けられる。いったいなぜ、五輪選手や関係者がマッチングアプリに登録しているのか?

ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう指摘する。

「五輪選手や関係者がマッチングアプリを使うのは、5年前のリオデジャネイロ五輪の際にも話題になった。今回の東京五輪に関しては、コロナ対策のセキュリティーが強化されており、ハメを外す場所がないというのが影響しているのではないか」

新型コロナ感染防止のため選手には、選手村と試合会場、練習場の間しか原則として移動できない「バブル方式」がとられている。とはいえ、関係者も含めて「ハメを外したい」という気持ちがあるのは事実だろう。実際にバブルのほころびは多数指摘されている。

「マッチングアプリを使って適当な場所で待ち合わせをすると、選手村を出る時に『買い物に行く』などと言って外出することができるし、相手と近くのコンビニやレストランで待ち合わせしてハメを外して戻ってくることができるので、マッチングアプリを使った方が周囲にバレにくく、感染が発覚した場合でも批判の対象にならなくて良いと判断したのだと思う。昔は、選手村の中にナンパした女の子を呼んだりする人もいたみたいだが、さすがにこのコロナ禍ではそんなことはできないでしょう」(井上氏)

意外なのは、選手同士ではなく、日本国内の一般人に出会いを求めているという点だ。そこにも何か理由はあるのだろうか?

「いわゆる『ジャポルノ』と呼ばれる『ジャパンポルノ』(日本のポルノ)は世界的に有名で、ネット上で一つのカテゴリーとなっている。それを外国に住んでいる方も見ており、人気もある。日本人は基本的に外国人に親切で、しかも『見た目に反して案外エロもすごい!』みたいなイメージを持っている外国人は多いと思う。そういう側面もあり、来日したこの機会に一度お手合わせ願いたいという気持ちで相手を探している人もいるのではないか」(同)

外国人に限らず、マッチングアプリでの出会いにはトラブルも懸念される。特に、一時的な滞在期間中に出会いを探しているケースでは、真剣な交際までを求めている人は少ないだろう。だからこそ、気を付けるべきことがあるという。井上氏は「関係を持った後、情が湧いてしまった相手に付け込むようにして、『また会いに行きたいからお金を貸してよ』みたいな理由で、お金をだまし取られるトラブルにつながるケースがある。お互いに楽しむのは良いと思うが、だからと言って信用し切ってしまわないように気をつけておかなければいけない」と指摘した。

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