「奄美・沖縄」世界自然遺産に 生物多様性を評価 ユネスコ委が登録決定

大地を覆うように葉を広げるヒカゲヘゴ=9日、奄美市の金作原国有林(本社小型無人機で撮影)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は26日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録を決めた。亜熱帯の森に貴重な固有種が数多く息づく生物多様性を評価した。日本の自然遺産登録は2011年の「小笠原諸島」(東京都)以来5件目。鹿児島県は1993年の「屋久島」に続く2件目で、国内で唯一複数の自然遺産がある都道府県になった。

 登録区域は、奄美大島と徳之島、沖縄本島の北部、西表島の4島に及ぶ計4万2698ヘクタールで、大部分が森林。大陸から切り離されたことで、生物が島ごとに独自の進化を遂げ、アマミノクロウサギやヤンバルクイナなど絶滅の恐れがある固有種が多く分布する。

 政府は17年、ユネスコに登録を推薦したが、ユネスコ諮問機関は18年、登録延期を勧告。政府は19年、内容を修正して再推薦し、諮問機関は今年5月、「生物多様性の保全上重要な地域」と評価し、登録を勧告した。

奄美大島と徳之島にのみ生息する国指定特別天然記念物のアマミノクロウサギ
地図・世界自然遺産登録が決まった「奄美・沖縄」

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