災厄はらう「獅子回り」 新上五島・有川神社祇園祭

獅子やてんぐに囲まれて泣きだす柚花ちゃん(中央)=新上五島町有川郷

 新上五島町有川郷の有川神社(江口一二三(ひふみ)宮司)で24、25の両日、夏の大祭、祇園祭があった。「獅子回り」では獅子やてんぐ、はやし方が各家庭を回り、住民の無病息災や水難事故防止などを祈願した。
 100年以上の歴史がある同祭。新型コロナ禍に伴い昨年同様、感染対策を講じながら、規模を縮小して開催した。
 有川郷内の各地区で24日に行われた「獅子回り」はてんぐからカミシバでおはらいを受け、獅子に頭をかまれると丈夫に育つと言い伝えられる。異形の来訪者に子どもたちは逃げ惑ったが、保護者らは怖くて泣きだす子どもを笑顔で差し出し、災厄をはらってもらっていた。
 茂串地区の町消防職員、井内貴亮(たかあき)さん(30)、寛子さん(30)夫妻宅では、両親が長女柚花(ゆずは)ちゃん(3)、長男駿(しゅん)ちゃん(7カ月)を抱きかかえて待機。いざ獅子回りがやってくると、柚花ちゃんは「こわい」と言って泣きだした。

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