南北経済協力の象徴「開城工業団地」の元入居企業ら、再開求め米でロビー活動を始動か...韓国紙報じる

南北経済協力の象徴である開城工業団地の入居していた企業の集まり「開城工業団地企業協会」(会長イ・ジェチョル)が米国内でロビー活動を始動しているとの報道が出ている。

朝鮮日報は28日、同協会がロビー活動のために30万ドルを投じて米国現地の大手法律事務所を雇用したことが分かったとスクープした。開城工業団地は閉鎖して5年目となっており、文在寅政権で団地再開の進展がないなか、米議会などへの働きかけを行うと同紙は見ている。

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朝鮮日報は、米司法省公示などを分析した結果、開城工業団地企業協会は最近、「Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLP」社と契約を締結した。Pillsbury社は米国ニューヨークとワシントンDCなどある法律事務所であり、世界100位圏に入る有数の法律事務所であるとのこと。

朝鮮日報は、「今後、米政府・国会関係者と協会間の面会を手配して、協会を代理し、米国内の開城工業団地の再開のための世論の活動を広げることが期待される」と伝えた。

開城工業団地は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)南部の開城市郊外にある経済特別区であり、南北融和の象徴として韓国企業が運営する工場が多数入居し運営されていたが、2016年に(制裁なども絡み)韓国側が操業停止と韓国人の引き上げを行った。

イ・ジェチョル会長は先月記者会見で、「莫大な被害と閉鎖の後遺症で廃業企業が増え、開城工業団地復元の火種さえ消えかけている」などと発言していた。

そのような中、27日に南北政府が同時に、南北通信線の復元を発表したことから、再び融和が進む期待が出ている。ロイターは28日、南北政府間で首脳会談開催についても協議が行われていると、政府消息筋をもとに報じた。

韓国政府はロイターの報道を否定しているものの、残り人気が1年を切ったムン・ジェイン政権が、南北関係改善のため最後の攻勢を行うことが予想される。

27日から28日にかけ、開城工業団地に関連する企業の株が上昇している。

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(写真:グーグルマップ)

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