手取り20万円の暮らし「〇〇するのがキツイ」ランキング1位は?理想の手取りは?

手取り20万円と聞いて、どのような生活を思い浮かべますか。ひとり暮らしか、実家暮らしか。未婚か既婚か。子供の有無によっても、暮らし向きはだいぶ異なります。

株式会社ビズヒッツが、手取り20万円の男女500名を対象に「手取り20万円できついと思うことに関する意識調査」を実施。調査結果をひも解くと、手取り20万円で生活している人たちの暮らしぶりが浮き彫りとなりました。


手取り20万円、どんな時にお金が足りないと感じる?

手取りとは、月収から所得税や社会保険料が差し引かれたあとに手元に残る金額のこと。手取り20万円の場合、額面は大体24〜25万円ほどです。額面だけ見ると、大卒の初任給22万6,000円(厚生労働省「令和2年 賃金構造基本統計調査」より)に比べて若干多い金額になります。とはいえ、実際に生活するとなると手取り月20万ではお金が足りないと感じる場面が多いようです。生活がきついと感じるのは一体どんな時なのでしょうか。

1位「欲しいものを買えない(117人)」

・洋服や美容が好きでお金をかけたいが、かけられない。自由費がほとんどなく、家賃や生活費に消えていきます(20代女性)
・趣味にお金をかけたいときに我慢しなければならないこと(50代女性)
・家族を養うことと住宅ローンでプラスマイナス0なので、必要最低限のものを買うこともままならない

2位「貯金ができない(99人)」

・一人暮らしをしようとするとかなりカツカツで貯金ができない(20代女性)
・これ以上節約できないほど生活レベルを下げているのにお金が貯まらない(30代男性)
・口座残高を見て、お金が貯まっていない現実を突きつけられるときがつらい

3位「イレギュラーな出費への対応(76人)」

・友人の結婚式が重なるなど、あまり頻度は高くないけど高額な出費が続くとしんどい(20代女性)
・家賃・光熱費・駐車場代を払いつつ、住民税・自動車税などの税金を払わなければならないときは最高にキツイです(30代男性)
・貯金できないことが多いので、予想外の出費があったら困る(40代女性)

続いて、ランチ1,000円以上を躊躇したり、5,000円以上の買い物で悩んでしまうなど「常に予算を気にする(43人)」が4位にランクイン。次に、家族で帰省する余裕がないので夫だけ帰省するなど「旅行ができない(37人)」、後輩にご飯をおごれない、デリバリーを頼めないなど「外食できない(34人)」といった回答が続きました。

生活に困窮しているわけではないけれど、贅沢はできず、自転車操業の家計でなんとかやりくりしている様子がうかがえる結果となりました。

手取り20万の人が思う、理想の手取りはいくら?

余裕のある生活を送るにはあといくら必要なのでしょうか。手取り20万円の人が理想とする金額についても聞いています。

半数以上の人が理想の手取り額を「25〜30万円」と回答。平均は約29万6,000円です。今より月5〜10万円増えれば暮らしぶりも変わりそうです。

では、手取り20万円の人が理想とする「手取り30万円」をもらっている人は今の年収に満足しているのでしょうか。

同社が年収500万円台の男女270人を対象に実施した「年収500円台の職業に関する意識調査」によると、6割近い人が今の年収に満足しているという結果になりました。年収500万円は手取りにするとおよそ400万円、ひと月あたり約33万円の計算になります。

年収への満足度を年代別に見ると、20〜30代は63.3%に上り、40代以上の51.8%よりも満足度が高い結果になりました。

今の収入に満足している理由について、「同期に比べて結構もらえているため(20代女性)」「自分の仕事に見合った報酬を得られていると感じているから(30代男性)」のほか、「生活していくには十分だから」「給料と仕事の負担が見合っているから」といった声が寄せられました。

手取り20万では半数が転職を考える

また理想の収入を得るためにか、手取り20万円の半数以上の人が現在「転職を考えている」と回答しています。

転職を考える理由としては、「子どもに習い事をさせてあげたい」「家族の不安を解消させたい」といった家庭の事情や、「将来的に手取り20万円では生活できなくなる」「低所得で過ごせるのは若いうちだけ」「昇給が見込めない」といった将来の不安からくるものなどが挙げられました。

ただ、手取り20万円でも転職は考えていないという人も。「給料はもっと欲しいが、いまの仕事が楽しくてやりがいがあるので転職は考えていない」「転職したら今よりも状況が悪くなるのではという不安の方が大きい(30代女性)」「今の生活でなんとか暮らしていける」という声も寄せられています。

前述の調査によると、年収500万円を手にしている人の約6割は転職経験があり、平均転職回数は2.5回。もし今よりもよい条件や待遇を求めるなら、転職は当然の選択なのかもしれません。

ただ、たとえ手取りが少ないと感じていても、仕事にやりがいを感じている、家族との時間を確保できるなど、収入面以外での満足度が高ければ悲観する必要はなさそうです。何を重要視するかは人それぞれ。自分の中の優先順位を大切にしながら、収入との折り合いをつけられるといいですね。

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