海の水はしょっぱい キッズふくしまサマーキャンプインたかだ 海水浴に歓声夏を満喫 いわき市児童17人

 東日本大震災による原発事故で外遊びができなくなった、福島県の子どもたちを上越に受け入れる保養活動「キッズふくしまサマーキャンプインたかだ」(同実行委員会主催)が27日から4泊5日の日程で、妙高市関川の池の平青少幼年センターで開かれている。同県いわき市の児童17人が29日、海水浴を楽しんだ。

海水浴を思う存分楽しむいわき市の子どもたち

 実行委員会を担うのは、真宗大谷派高田教区(上越市、妙高市、糸魚川市)寺院の有志。震災発生の2011年から年2回キャンプを行い子どもたちを受け入れている。コロナ禍の影響で今年3月、2年ぶりに受け入れを再開した。

 同日は、上越市五智6の居多ケ浜記念堂を拠点に、なおえつ海水浴場で海水浴を満喫。子どもたちは目の前に広がる海に歓声を上げた。今回が初参加という小学3年生の引地希歩さんは「久しぶりの海水浴で楽しい。海の水はしょっぱい」と笑顔を見せた。

 第1回、2回のキャンプに参加した佐藤汰樹さん(21)、渡辺春輝さん(同)が今回、ボランティアとして初参加。佐藤さんは「(放射線量を気にせず)半袖短パンで遊べる喜びを教えてもらった」、渡辺さんは「震災当時とコロナ禍の現在と、不自由を強いられている状況は同じ。支え合いが必要と感じる」と話した。

 実行委員長の繁原立(たかし)さん(37)は「子どもたちの笑顔を守るため、原発事故の不安がなくなり『もう保養は必要ないよ』と言われるまで活動を続けたい」と言葉に力を込めた。

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