【東京五輪】米有名誌が〝酷暑問題”を特集 今後の深刻化とパフォーマンス低下データを指摘

酷暑の中で開催されている東京五輪

米誌「タイム」が東京五輪の暑さ問題を特集し、今後の深刻化と選手のパフォーマンス低下を示すデータを報じた。

同誌は「東京がこれまでで最も熱い五輪になることは誰もが分かっていた。それは依然として残忍な犠牲を払っている」と指摘。「アスリートが金メダルを求めて限界に挑戦するとき、危険な状況を作り出すことがある。気象庁は来週華氏93・2度(摂氏34度)以上の高温を予測しており、今年の五輪は(大会の)最高気温を超える可能性がある」と、不満の声が相次いでいるテニスのほか、大会後半に予定されるマラソンを始めとした陸上競技やトライアスロン、ホッケーなどで危険が予想されるとした。

専門家の分析も紹介し「グアムの国立気象局の主任学者であるブランドン・エイドレットは、アスリートが今後数日で安心できないと語っている。地域全体に弱い風が吹いて暑さがより圧迫されているように感じ、湿度が人に負担をかけるようになる」。

さらに、オーストラリア研究所の生理学者兼上級顧問であるペタ・マロニー博士は高い気温と湿度が選手のパフォーマンスに深刻な影響を与えると指摘。「アスリートは最大10%のパフォーマンス低下を経験することも珍しくない。湿度が上がると汗が皮膚から蒸発しにくくなるため、高湿度での競争は特に難しい。脱水症と体温の継続的な上昇をもたらす」と強く警鐘を鳴らした。

東京の酷暑にさらされるアスリートに犠牲者が出ないことを祈るばかりだ。

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