【森保ジャパン】4強のウラに大会直前…主将・吉田麻也発案「ボールを蹴らない」極秘特訓

堅守でNZ代表の攻撃を封じたDF吉田麻也(左)

快進撃が続くサッカー森保ジャパンを主将として支えるDF吉田麻也(32=サンプドリア)の好調の裏には、大会直前の〝極秘特訓〟があった。

吉田はオーバーエージ(OA)で東京五輪代表メンバー入りし、A代表と同じく主将の大役を任されている。7月31日の準々決勝ニュージーランド戦の120分を含め、ここまで全4試合でフル出場して日本の堅守をけん引。ピッチ外でも強力なリーダーシップでチームを見事にまとめ上げている。

森保ジャパンの支柱として獅子奮迅の活躍を見せているが、心身ともに充実した大会を過ごせている秘訣は、大会直前に森保一監督(52)に直訴してまで敢行した秘密トレーニングになった。

元陸上選手のオリンピアンで、吉田を個人トレーナーとして長年指導する杉本龍勇法政大教授(50)はこう明かす。

「吉田が代表チームとは別で、他の若い選手と自主トレをしたいと掛け合って交渉して、許可を得た。『ボールを蹴るだけがすべてじゃない。この時期だからこそ、本当にやらなきゃならないことがある』と吉田はすごく強調していて、代表のボールを蹴る練習じゃなくて、僕と一緒に練習をと協会に訴えた」

6月の代表活動終了後にチームは一度解散。それでもシーズンオフの海外組は代表スタッフのもとで合同トレーニングを行っていたが、本大会に向けて再集合する直前の6月末に吉田はMF堂安律(23=PSVアイントホーフェン)やDF板倉滉(24=マンチェスター・シティー)らと代表チームから離れて、杉本氏のもとで数日間〝特訓〟を行ったのだ。

そこではサッカーの技術から離れて、走法に特化した練習をひたすら繰り返し「とにかく動きの最終確認をした。直した方がいいところにフォーカスして、ボールを蹴る動き以外のところを仕上げた」と杉本氏。「麻也に関しては、走り方が腰が〝抜けて〟いる感じだったので直した。律は足の着き方が下手くそになっていたのでチェックした」と大舞台を前に理想のフォームを整えたのだ。

走法を改善したことで、試合中の動きのキレが増すことはもちろん、過密日程で連戦が続く中で体力の消耗も最小限にとどめられる効果がある。まさに〝五輪仕様〟にするための特訓だったのだ。

その効果もあってか吉田は絶好調。全試合フル出場しているが「(状態は)上がってきた。これからあと2試合頑張ります!」と元気いっぱいをアピール。悲願の金メダルへ頼もしいかぎりだ。

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