リノベーションした古民家で、思い思いの時間を過ごして―。牧区の山あい、高尾集落に住む家族が１日、自宅の一部をスペース貸しする「山のホムサ」の営業を始める。高尾を訪れるための拠点になればと願いを込める。
スペース貸しを始めるのは鈴木一恵（ひとえ）さん（４０）。２０１７年、近所の築約１５０年の古民家を譲り受け、母の明美さん（６４）、父の英宏さん（６３）と共に解体、改修作業を進めてきた。
貸しスペースは高田平野や山並みが望める部屋、かやぶき屋根と梁（はり）が残る吹き抜けの部屋、中２階の半個室の部屋と三つに分かれ、それぞれ１～２組で利用する。新型コロナ感染症対策もあり、１日約１０人の利用を想定する。
利用の仕方は多様。飲食物を持ち込んでお茶会や、気ままに本棚の本を読んだり、パソコンを持ち込んで作業など自由に過ごせる。飲食の提供はないが、無料のドリンクコーナーがあり、滞在中は自由に出入りが可能、何時間いても利用料金は変わらない。
内装は近所の大工や友人らの協力を得ながら、解体で出た廃材や建具をテーブルや壁、本棚などに再利用。着物や毛糸で飾り付けを施し、懐かしさと落ち着きを感じる空間に生まれ変わらせた。
一恵さんは、新型コロナの影響でイベントができず、集落を訪れる人が減っていることを危惧。「スペース貸しを機に高尾を訪れ、興味を持ってほしい」、明美さんは「静かな田舎を体験する場所。のどかな雰囲気を味わって」とそれぞれ語った。
住所は牧区高尾４５１。営業は土日月曜の週３日、午前１０時から午後３時まで。料金は１人５００円（小学生以下２００円）。利用は事前の電話連絡が必要。電０９０・２９８２・４３８２へ。詳細はフェイスブック、インスタグラムを参照。
