松山英樹が霞ヶ関CCに帰ってきた…11年ぶり「凱旋」で明かされた “スピーチ” 裏話

東京五輪は「思い出の地」でのラウンドだった松山(ロイター)

ゴルフ男子最終ラウンド(1日、埼玉・霞ヶ関CC=パー71)、2位スタートの松山英樹(29=LEXUS)は通算15アンダーでホールアウト。銅メダルプレーオフ(PO)の1ホール目で脱落し、4位に終わった。

悔しさの残る結果となった松山だが、灼熱の太陽の下で、そのプレーを感慨深げに眺めていた女性がいた。国際ゴルフ連盟と日本ゴルフ協会で理事を務める平山伸子氏だ。霞ヶ関CCで開催された2009年の「日本ジュニア選手権」、その翌10年の「アジアパシフィックアマチュア選手権」の運営を担当。目の前で両大会を制覇した松山の姿を鮮明に覚えているという。

「09年の時は高校3年生。体も本当に細かったんですよ。それが、こんな立派な体になって、堂々として」

松山が霞ヶ関CCでプレーするのは「アジア――」以来。平山さんは「10年の優勝で『マスターズ』に招待され、そこから彼の道が開けた」と言い、11年たって目の前でプレーしている松山を見て「放流した稚魚がひと回りもふた回りも大きくなって戻って来たみたい」と表現した。

「アジア――」で松山が優勝争いをしていた時、平山さんはある企てをした。「国際大会ですし、オーガスタの人もたくさん来ている。だから英語でスピーチさせなくちゃって思って、急いで紙に英語のあいさつ文を書いて東北福祉大の監督に渡したんです」。優勝者の手に渡ったが、松山はしっかりと日本語であいさつ。平山さんは「今年の『マスターズ』も日本語でしたよね。いい意味で変わっていないです」と相好を崩した。

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