まさに死闘だった。東京五輪・野球日本代表が2日、決勝トーナメント初戦の米国戦(横浜)に延長タイブレークの末、7―6でサヨナラ勝ちした。
試合を決めたのは、途中出場の甲斐(ソフトバンク)だった。同点で迎えた10回一死二、三塁、右翼手の頭上を越えるサヨナラ適時打を放った。
苦しい展開だった。2点を先制した直後の4回に先発の田中将(楽天)がつかまった。一死から4番・カサスに四球を与えると、かつてヤンキースでチームメートだったベテラン・フレイジャーに適時二塁打を浴びた。コロスバリーのタイムリーで同点に追いつかれ、さらに9番・アレンに右翼線への適時二塁打を打たれて逆転を許した。4回途中6安打2四死球3失点で無念の降板。大黒柱がまさかのKOとなった。
その裏の攻撃で坂本が適時二塁打を放ち同点に追いついたものの、青柳(阪神)が5回にカサスに左越えの3ランを浴び、再び勝ち越しを許した。
それでも不振だった4番・鈴木誠(広島)に待望の一発が飛び出し、すぐさま1点差。6回から登板した千賀(ソフトバンク)が2回を1安打無失点、5奪三振の快投を見せるなどリリーフ陣が踏ん張り、土壇場の9回に同点に追いついた。
タイブレークの10回表は栗林(広島)が無失点に抑えて、劇的サヨナラ勝ちをつかみ取った。強敵・アメリカとの激戦を制した侍ジャパン。金メダルまであと2勝となった。