【新型コロナ】神奈川の海水浴場 緊急事態宣言で割れる自治体対応

逗子海水浴場では海の家が休業し、海水浴客も少なかった=2日午後3時15分ごろ、逗子海水浴場

◆海の家も終日休業 「海岸利用やめて」

 新型コロナウイルス感染急拡大に伴い神奈川県内で緊急事態宣言が2日発令されたことを受け、逗子市と葉山町は開設中の海水浴場を一時休止する。期間は宣言の解除までで、逗子市は2日から、葉山町は4日から海の家は終日休業となる。一方、藤沢市の海水浴場は緊急事態宣言を踏まえた安全対策を視野に開設を継続する方針。全国的な人気を誇る湘南ビーチで、開設を巡る対応が分かれる形となっている。

 2日午後、逗子海水浴場に約30軒ある海の家には閉店の看板が並んだ。ロープなどで入り口を押さえられ、更衣所やシャワーも使えない。横浜市から5人で訪れた男子高校生は「シャワーやロッカーも使えず、貴重品が預けられなくて不便。海の家が楽しみだったのに」と残念そうだった。

 逗子市によると、この期間も海水浴場マナー条例は適用され、砂浜で飲酒などの禁止は継続して警備員らが呼び掛ける。逗子、葉山ともに、安全対策のためライフセーバーらは変わらず配置する。同市は「人流抑制のため、海水浴目的の海岸利用はやめていただきたい」と呼び掛けている。

 まん延防止等重点措置に伴い、すでに酒類の提供は停止している海の家事業者にとって、苦境の厳しさがさらに増すことになる。逗子海岸営業協同組合の勝田康司常務理事は「売り上げは例年の5分の1程度の見込みで赤字だが、コロナの爆発的拡大の中、休場はやむを得ない。一日も早い再開を願う」とした上で、「ゴミ分別場や監視所の管理などの協議がないままに決定された。行政はもっと丁寧に手続きをしてほしい」と求めた。

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